先日話題になった新聞の見出しに、「秘密保護法案 衆院通過 自公が採決強行 みんな賛成」(朝日新聞・11月27日)があった。
賛否が多かったのに「みんな賛成」とややこしいのはもちろん「みんなの党」という名前のため。その、みんなの党を離れた江田憲司衆院議員ら15人が旗揚げしたのが「結いの党」。
ゆ、結いの党!?
他の候補名では「あしたの党」「正義党」もあったらしい。ハッキリ言って「政党のキラキラネーム化」は深刻だ。そんなセンスで大丈夫かと不安になるし、冒頭のようにニュースの意味がややこしくなる。
先日はこんな記事があった。野党再編に向けて江田氏は、維新の大阪系議員に分裂を要求してるらしいのだが、「大阪系と旧太陽系がすぐに分裂する気配はない。」(朝日・12月10日)
まるで宇宙のサイエンス記事だ。これもかつて存在した太陽の党というキラキラネームのため。朝日新聞は真面目に伝えるから余計おかしくなる。
今まで政党名は、だいたいが愛想がなかった。カタかった。
「自由民主党」「民主党」「社民党」「日本共産党」などの名前は愛想がない。理念や目標らしきものがあればそれでよいという姿勢。(「政党は自分たちに無いものを名前に掲げている説」もあるが......)
しかし最近の政党名はやわらかい。ちょっと思い出すだけで、生活の党、新党きづな、新党大地、国民の生活が第一、たちあがれ日本、みどりの風、日本維新の会などたくさんある(あった)。
「親しみやすい政治を、政治を国民の手に」という考えがあるのだろうが、しかしどこか、このくらいの名前のほうがわかりやすいだろと高をくくられている感じもある。
わかりやすい政党名は、90年代初頭の「日本新党」「新生党」「新党さきがけ」あたりがキッカケかもしれない。昭和の自民党政治に飽き飽きした有権者は政治改革を支持し、「新」政党に期待した。あれ以降「新」のつく政党名がやたら増えた。理念より、新しいことそれ自体が売り。そんな疑念を生じる党もあった。あの風潮は今の政党キラキラネーム化の基盤になったと思う。
さて、「結いの党」も党名だけでは理念らしきものはよくわからない。「野党再編」「野党を結ぶ」のが目標かもしれないが、でもそれってただの政局話であり自分の都合の話だ。
90年代当初の政治改革ブームのなか登場した「スポーツ平和党」はキラキラネームっぽかったが、今にして思えば自分がやりたいことを掲げた直球の政党名だったとも言える。政党のキラキラネームはどこまで続くのか。ニュースの意味もややこしくなってしまう。
そういえば「アントニオ猪木、維新入り」と報道されたときも、プロレスファンはかなり混乱したっけ。
Written by プチ鹿島
Photo by 結いの党公式サイト
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