プチ鹿島の「余計な下世話」

上重アナのスッキリせず問題に漂う「タニマチと野球選手」|プチ鹿島の『余計な下世話!

2015年04月07日 タニマチ プチ鹿島 上重聡 野球選手

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 なかなか来日しなかったキューバのグリエルと契約解除し、《さよなら~グリエル!「すっきり」中畑DeNA》(スポニチ)という見出しが躍る中、《上重アナ「スッキリせず」スポンサーから金品便宜》(日刊スポーツ)という見出しがあった。一体何があったのか。

 日本テレビの上重聡アナウンサーが最新号の週刊文春で、コンプライアンス違反疑惑を報じられたのだ。「ABCマート」の元会長の男性から1億7000万円を無利息で借り、都内の高級マンションを購入したり、男性名義の高級外車を乗り回していると文春は伝えている。

 文春も意地悪だ。上重アナが情報番組「スッキリ!!」の司会をスタートさせたタイミングにぶつけてきた。日テレとアナウンサーといえば、銀座のクラブでホステスのアルバイトをした女性を「清廉性」を理由に、アナウンサーの内定を取り消したことが話題になった。もしかしたらあの件があって「では本当に日テレアナの清廉性は大丈夫なのか」と取材が動き始めたのかもしれない。やっぱり文春は意地悪だ。

 私は上重アナと言えば賢いというイメージしかない。PL学園でエースとして高校野球で活躍し、松坂大輔がいた横浜高校と延長17回に及ぶ試合で投げ合って一躍スターになった。大学でも活躍して当然プロに行くのかと思いきや、ケガもあり、きっぱり野球を辞めて日本テレビに就職。アナウンサーの道を選んだ。知名度や話題性も含め「スター野球選手」という自分の価値をよく知っている人しかできない判断に唸った。順調にスターアナに育つのは当然だ。

 しかし今回の「スポンサーから金品便宜」記事。コンプライアンスだとか、報道に携わる人間としていかがなものかとかと言われているが、私はこの問題の本質は、上重アナが「スター野球選手だったクセが抜けていなかった」ことだと思う。スポンサーと言えば聞こえはいいが、要は「太いタニマチと野球選手の話」なのだ。文春によれば「ABCマート」の元会長に上重アナを紹介したのは元巨人の宮本和知だという。ここらへんの名前を見ただけでニオイを感じる人もいるはず。

 プロ野球中継がまだ視聴率バツグンのころに活躍した野球選手(特に巨人)には、黙っていても日本中から人が寄ってきた。選手にはいろんなタニマチがつく。とくに、座持ちの良さそうな宮本などはタニマチを何人も抱えていたのだろう。今夜も明日もそれでよろしくやっているはず。

 好意的に言えば、上重アナはそんな野球界OBの「今度、誰誰さんに会ってくれないか。俺の顔を立てて」という世界に利用されたのだと思う。過去の人間は過去の名前だけでメンツを保つ。上重アナも引っ張り出されたのだ。

 もしかしたら上重アナ自身もタニマチとの付き合いに関してはゆるく考えていたのかもしれない。もし報道人として強い自覚があるなら野球人とタニマチのズブズブな世界からは足を遠ざけたはずだからだ。しかし、しなかった。彼はまだ「野球選手」だったことになる。スッキリ、キッパリ、野球を辞めたはずだったのに。

 そうはいってもアナウンサーとしてもスター性がある上重アナ。名誉挽回のチャンスはあってもいい。とりあえず例のアレでミソギをしたらどうだろう。24時間テレビのマラソンで。

 そのときは、ABCマートの靴で走るのと、明るく元気な宮本和知さんの沿道での応援は断ってほしい。

Written by プチ鹿島

Photo by スッキリ!!番組HPより

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」

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