この時期のスポーツ紙やタブロイド紙が大好きです。プロ野球の監督人事やドラフト予想、お家騒動の記事で情報が咲き乱れ、しばらく華やかな時期だからである。書いたもの勝ちと思われそうな報道も、あとから確認すれば「真実の宝はここに埋まっていた」という答え合わせもできる。読み応え十分の季節である。
さらに今年は紙面のにぎやかさを加速させるニュースが飛び込んできた。巨人・福田聡志投手が野球賭博に関与していた事件である。この1週間の東スポ、日刊ゲンダイ、夕刊フジは本当に活気づいていた。まず東スポは「野球賭博胴元A氏 背後に超大物OB」(10月9日付)ときて、日刊ゲンダイは「大物OBに飛び火」(10月8日付)。
ここでいう「A氏」とは巨人・福田投手に野球賭博を持ちかけた「税理士法人勤務」の男である。その正体は誰なのか、暴力団と繋がっていたら話はいっそう深刻になる。両紙を読んでみると、
《A氏は名古屋地区などでプロ野球界の超大物OBと数年前までビジネス上で深い付き合いのあった人物》(東スポ)
《ここにきて名古屋に縁の深い球界の大物OBの名前が関係者の間でにわかに注目を集めています。『A』がそのOBの元マネージャー》(日刊ゲンダイ)
どうやら「超大物OB」は同一人物だ。夕刊フジは、その噂されるOBに直撃した。ちなみにフジは《かつて所属した球団の監督候補にあがり、福田に賭けを持ちかけたA氏と行動を共にしていたとされる大物OB》と書く。OBは以下のように語る。
「いや、僕が運転手として雇ったことは1度もない。(周囲から)そういわれるけど、もちろん知り合いではあったけれど、仕事を通じて知り合ったんですけど、僕の運転手とか書かれるのは困る」
「当然(A氏が)巨人の選手と知り合った経緯も、僕が紹介したわけではない。勝手に知り合っている。僕がどうのこうのいわれても困る。そうやって名前を出されたら、一緒に(賭博を)やっていたんじゃないかとか思われるじゃないですか」
実は、このOB以外に、各紙面ではもうひとり噂の人物がいる。現役選手だ。
《西の球団で活躍する人気選手が大の裏カジノ好き》(東スポ)
《西の大物選手に火の粉》(日刊ゲンダイ)
この選手は私生活でも世間をにぎわせたことがあるという。どこまで名前が浮上するか。さて、オヤジジャーナルウオッチとしての注目は今週発売される週刊誌である。というのも先週の野球賭博の発覚以降、連休進行とぶつかり、多くの週刊誌ではまだこのネタが載っていない絶妙の空白期間が発生してしまったのである。それを取り戻すべく、実名も含めてどこかが今週ぶっこんでくるか?注目である。
今回の野球賭博。8日におこなわれた名球会イベントでは東尾修、立浪和義、佐々木主浩の3氏が苦言を呈した。それはそうだろう。東スポから抜粋する。
《ちょうど(プロ)2年目で当時の西鉄で(黒い霧事件を)目の当たりにし、非常に厳しい状況になっていますので、これからが大変だと思う》(東尾修)
《そういうことは野球界にとってマイナスのイメージになる。僕は詳しいことはわからないけど、早く解決してもらえればいいと思います》(立浪和義)
《同じ大学の後輩でもあるし、ショック。どういう状況かは分からないけど、そういうことがないよう、今後は野球界でこれから入ってくる選手も含め、教育していかなくてはいけないのではないか》(佐々木主浩)
3氏の言う通りである。下世話的には今後の各報道にますます注目だ。
Written by プチ鹿島
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
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