「女性はセリーヌ以上のカバンを持て」の梅木雄平さんてこんな人でした

2018年04月16日 セリーヌ以上のカバンを持て ハッシュタグ 春山有子 梅木雄平

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 テック系オピニオンメディア「TheStartup」編集長・梅木雄平氏の「女性はセリーヌ以上のバッグを持て」発言が、4月7日以降話題となっており、本サイトでも取り上げました。
 発言の詳細はというと、<女性の高級ブランドバッグ序列(独自調べ)>として、以下のブランドバッグを挙げています。

<100万~ エルメス
60万~ デルヴォー、ヴァレクストラ
40万~ フェンディ、ロエベ、シャネル
30万~ セリーヌ
センス的に微妙~ ヴィトン、プラダ
ーー25歳までーー ミュウミュウ
ーー超えられない壁ーー フルラ>

 さて、実際、高級バッグに詳しい女性たちはどう思っているのでしょうか。まず、赤文字系女性ファッション誌Cの人気スタイリストA氏に、率直な感想を聞いてみました。

「これツイッターで見たけど、『この人、わかってるじゃん!』って思った。デルヴォーとか知ってるんだ、って。彼はこのほかに、『女性同士、バッグでマウンティングしあう』といったことを書いていたけど、それもその通りだと思う。男の時計のそれと同じ」

 とりたてて炎上するほどでもないといったテンションで、A氏は続けます。

「だって、お金があれば、みんな普通にエルメス買うでしょう? ほしいでしょう? お金がないから試行錯誤するけど、お金があれば迷わずエルメス買うでしょう? 『バッグでマウンティングする世界なんてない。女の世界はそんなに醜くない』というツイートも見たけど、普通にあるよ。そしてそれは、醜いだけの単純なもんじゃない。むしろこの梅木さんという人よりも、ハッシュタグをつけて大喜利している人の方が寒いよ」

 A氏が指す「ハッシュタグをつけて大喜利」とは、「#女の価値を決めるバッグ」というタグとともに、自身ご自慢の"おもろいバッグ"写真をアップしている人たちのことです。ツイッターユーザーがこぞって、ゆるい猫ちゃんのエコバッグや、新聞紙製エコバッグ、リアルな青魚のショルダーバッグ、FFキャラの缶バッジがついたドット絵柄バッグ、「世界征服」と書かれた黒いエコバッグ......などなど、たしかに文字にしていてゾクリとするラインナップです。

「これツイートしている人って、いわゆる将来は自給自足したい系女子じゃないかな? っていうか、彼女たち、溜飲下げたつもりになっていて、これをマウンティングというんじゃないのかな」(A氏)

 マウンティングとは無縁だと言いつつ、ちゃっかり「我がおもろい」とマウンティングしちゃっているのです。愛い奴です。

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 次に、現役女子大生にして起業家の港区女子・Bさんに話を聞きました。

「いや、なんでもいいんじゃないですか。好きなものを持てばいいです。どうでもいいと思います。そういえばこの梅木さんって、港区で嫌われていますよね

 A氏とは対照的ご意見ですが、それより気になるのが、「梅木さんは嫌われている」というところ。そもそも梅木さんとは、何者なのでしょうか。
 わたしの認識では、ネットウォッチャーの間ではかねてから有名人で、ネットウォッチ界の万能玩具として知られている、"とほほおじさん"ということ。

【What's とほほおじさん?】

 とほほな言動が多いおじさんのこと。思慮が浅く感度が鈍く、そのため度胸は人一倍。人が無駄な自意識を発動させて躊躇している間にずんずん突き進んでいく。調子に乗るから失敗も多いけど、素直で「とほほ」で済んでしまう不思議な可愛げを持つ。その情けなさもまた可愛い、とまでは思えないが憎めない。真正面から憎むとこっちが負けた気になる。会って話せばきっと悪い人ではない。

 梅木さんの代表作といえば、web版「東京カレンダー」。六本木や恵比寿、三茶、代々木、豊洲など都内各所の最先端ミーハースポットと1人の女性の成長を絡め描いた大ヒット連載「東京女子図鑑」(2015年)をはじめ、今でこそ定着した"港区=バブル真っ只中"をいち早く取り上げ、世に知らしめた張本人でもあるのです。
 ありえないほどバブリーな価値観で田舎臭い東京観に満ちた「東京女子図鑑」には「あれは埼玉のおっさんが書いている」との疑念がかけられましたが、のちに梅木さんは「港区の現状はほんとうにこうなんだ。ほんとうなんだ。わかってくれ」と熱く説き伏せようとしていました。

 わたしも当時、FBで「東京女子図鑑」が少し小馬鹿にされつつシェアされていたのを読み、まんまとどハマり。馬鹿にするつもりが毎週の更新を楽しみに生きるようになってしまい、他連載もすべて読むようになってしまったほどです。
 なんなら「ライター募集」に応募しようとしたほですが、残念ながらデルヴォーを知らず、フルラのバッグすら持っていない。買ったことのあるヴィトンといえば、大学時代に好きだったバイト先の「かっぱ寿司」のバイトリーダーが、「おれ、ほしいんだよな~。買ってくれたら付き合ってやってもいいけどぉ~」とチラ見されたので貢いだ7万円の「ダミエ」しかない、そんなわたしは受かるわけがないでしょうけれども。

 連載は総じて、上昇志向の強いミーハー女子と港区界隈の社長との恋愛物語で、どの連載か忘れましたが、今でもこのフレーズだけは覚えているというお気に入りの話タイトルは「叶うものなら、アウディの彼氏!」。

 が、これを"梅木マジック"というんでしょうかね、「東カレは俺が手がけて再起した」と梅木さんがどこかで発言しているのを読んだ瞬間、あれだけ楽しみにしていた連載小説を、パタリと読まなくなってしまいました。こうしてわたしは、梅木さんに踊らされてしまうのです――。

 人間の下世話心や、一言いってやりたいといったマウンティング欲を刺激し扇動する梅木さん。今後も目が離せません。(文◎春山有子)

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