新入社員の皆さん 今飲んでいるのは「ビール」でしょうか 居酒屋で「とりあえずビール」が変わった日│中川淳一郎

時短解除で飲む機会も増えてきた?(撮影@編集部)

平成の時代、ビール風飲料の「発泡酒」と「第3のビール(現・新ジャンル)」という酒税の低い2種類が登場し、「大蔵省(現・財務省 ※第3のビールについては財務省時代)のビールへの課税の高さのスキを突いたメーカーのアイディア勝ち」的な文脈で当時は報じられた。

しかし、この3種類の税率は段階的に変更され、2026年10月26日までに段階的に3種類の税率を変えていくのだ。2020年10月はビールが70円、発泡酒が46.99円、新ジャンルが37.8円だったのが2026年10月に一律54.25円となる。

最近、若者と家飲みやBBQ等で缶ビール(ないしはチューハイ他その手の類)を持ち寄る時、「ビール持ってきました!」と出されるのが「新ジャンル」であることが多い。若者にとっては、物心ついた時から「ビール」として飲んでいたものは「新ジャンル」だったと分かったとしても、その商品については「これ、安いうえにおいしいから飲んでいるのですが……」としか思えないことだろう。

「ビール」で過ごしてきた中高年からすれば「発泡酒や新ジャンルをビールと思ってほしくないのに」といった呆れの気持ちになるかもしれないが、若者の考えは違う。あくまでも「金麦」や「クリアアサヒ」「本麒麟」「麦とホップ」などの味が好きなので飲んでいるのだ。

もしかしたら居酒屋等でビールを飲んだこともあるだろう。だが、「こんなに濃い味のものよりも、普段飲んでいる『本麒麟』の方がおいしいな。なんで、店に『本麒麟』置いていないんだろう……。あっちの方が安いんだからできれば置いてほしい」などと思っているかもしれない。