週刊誌が報じた『NGT48山口真帆さん騒動』を総点検 各誌はこのニュースをどのように報道したか
いまだ余波続くNGT48山口真帆さん騒動。弊サイトでも既報のとおりだ。
あってはいけない! NGT48山口真帆が帰宅途中で暴漢に襲われた事をSNSで号泣告白
あの夜何が起きたのか!? NGT48山口真帆暴行「事件」 本サイト独自取材で見えてきた真相
NGT48山口真帆さん騒動 「あなた」が守りたいものは何ですか?|吉田豪
NGT48暴行騒動で一般市民による「犯人探し」が加速化 あのスマイリーキクチ氏も警鐘を鳴らす
では一流週刊誌(と準ずるwebサイト)はこの騒動をどう報じたのか。
まず週刊文春と双璧をなす週刊新潮は、
<NGT48「山口真帆」暴行事件、スタッフの”情報統制”に騙されたスポーツ紙>(1月13日掲載号)と題し、<スポーツ紙などには”火消し”に躍起だった><NGTの関係者などは芸能メディアに『山口には少し精神的な問題がある』と、あたかも狂言であるかのように匂わせるなどしていました>など、スポーツ各紙の報道が大人しかったことと、その理由をあげている。<NGTサイドは『メンバーの関与は絶対にない』と完全否定>という情報統制により、各紙がメンバー関与を否定的に報じていると指摘。
しかし実際には<AKSは「メンバーの1名が、男から道で声を掛けられ、山口真帆の自宅は知らないものの、推測出来るような帰宅時間を伝えてしまった」と説明>したものだから、騙されたあるスポーツ紙は、誠意なき対応の責任者を批判的に報じたことで、新潮は<新聞社を騙すと後が怖い>としている。
同記事の独自情報は、前支配人・今村悦朗氏の<女性関係が派手>という噂や、お世辞で市長を勧めると<『市長じゃなくて知事だよ』と答えた>という裏話だった。
1月19日配信のAERAdot.の記事は、芸能レポーターの石川敏男さんや弁護士の佐藤大和さん、地下アイドルでライターの姫乃たまさんら識者にコメントを取り、運営を批判。特に姫乃氏のコメントは説得力があり、<ファンがアイドルを襲う事件が誘発されるのでは>と危惧。現場ではファンら自らが<新規の人に声をかけあったり、危険そうな人がいたらみんなで警戒したり、自浄作用が働いて>おり、しかしそんな姿が、<”押しが弱い”と勘違いしたコミュニティーの外にいる人が、横入りしてアイドルのプライベートに踏み込もうとする>ことを怖れている。
また、18日配信の週刊朝日オンラインでは、元SEK48の手束真知子さんにコメントを取り、地方AKBグループのリアルを伝えている。寮に住んでいた当時、<裏で『どこに住んでいる』とか出回っていたりしていた>ことなど、情報の漏れやすさを強調。さらに、<秋葉原ではファンの年齢層が割と高めで生粋のオタクの方が中心ですが、地方だと、若くてイケイケな、(メンバーにとって)格好良く見えるファンがたくさんいる>と、ファンとアイドル繋がる可能性を示唆している。
一方、週刊現代は取り上げておらず、NEWSポストセブンは各ワイドショーでの芸能人コメントを毎日報じていた。週刊ポストには、2月1日号に元おニャン子クラブの新田恵利さんが登場。<電話帳に実家の電話番号が載っていたので一日中電話はなりっぱなしで、家の近くにある駐車場はファンのたまり場になっていました><私が2階の自分の部屋にいる時、誰かが家の壁をよじ登ってくる音がするんです>などの恐怖体験を告白。また、グループ内の人間関係について、おニャン子には仲の良いメンバーからドライな関係のメンバーもいたが、今回NGT48メンバー内に情報漏洩者がいたことについては、<私たちの時代にそんなことはあり得なかった>としている。
各紙そうした状況のなか、週刊文春だけは違った。1月16日には<NGT48・山口真帆 秋元康の罪と暴行グループの正体>と題し、事件のあらましを詳細に報じている。
公演後の送迎バスから降りたメンバーDが、ファンの大学生Cから「山口さんはバスに乗っているのか」を問われ、答えたこと。
元支配人の今村氏のワンマン体制により、<情報不足で人間関係に全く配慮が出来ておらず、結果グループのバランスに歪みが生じ、メンバー同士はどんどん不仲になった>こと。
中井りかと交際が発覚した男Zは<アイドルと交際するために”接触活動”を続ける『アイドルハンター』で>であること。彼率いる「Z軍団」の正体と、その手口。金を使う彼らを太客と見ていた今村氏は、彼らを<黙認した>こと。
疑われていたメンバーである太野彩香さんや西潟茉莉奈さんはZ軍団員の推しメンではあるが、騒動とは無関係なこと。
Z軍団がメンバーEらと接触、<自宅に泊めるほどの親密な関係になった>り、太野が1年半前まで住んでいた部屋で、かつ山口の向かいの部屋を、Z軍団が借りたこと。
そして騒動当日、接触された山口はパニックになり、途中公園に移動し口論。警察と今村氏がやってきたことで、逮捕となったという。同時に、<山口が関与を疑ったメンバーの太野、西潟も警察に呼ばれ、事情聴取が行われた。しかし、個人的な関係がないことは携帯電話の通信履歴からも判明>したことを報じている。
さらに翌週も、事件後に今村氏がファンと繋がりのあるメンバーをあぶり出すLINEメッセージを、全メンバーに送信したことを報じた。数人が名乗り出た上、メンバーEがZ軍団の一員と交際していることを告白し、<内々に処分され、Cとも別れさせられた>など、裏事情をあますことなく伝えている。
さて、裏事情といえば東スポも負けていない。1月17日配信の<凶悪アイドルハンター集団 NGT山口真帆以外にも被害者!>では、かつて<ハンター集団からの嫌がらせや暴行に近い卑劣な行為に耐えられず、卒業したメンバーもいる>ことは、<一部のメディアから金銭をもらってアイドルの動向を探る集団のメンバーも>いるという独自情報を放つ。
さらに18日には<NGT48暴行騒動で20代女性マネジャーも!ハンター集団の餌食>と題し、昨年末に退社したという風紀の乱れに厳しい女性マネージャーに対し、ハンター集団の<嫌がらせは日々エスカレート。ついには彼女をガムテープでぐるぐる巻きにするなど、度を超えたレベルにまでなっていった>というただ事ではない状況を伝えたほか、19日には<深刻 “風紀の乱れ” メンバー間の確執は 「想像以上」>で、<暴行した”アイドルハンター軍団”の中には、一部のメディアから依頼を受けた記者のような動きをするファンが関わって>いることや、<気に入らないメンバーやファンを脅したりするまで暴走していた>など過激な一面を伝えている。
しかし不思議なことに、18日、19日の両記事はすぐに削除されている。一体なにが起きたというのか。
NGT48山口真帆さん騒動 フェイクニュース「女子マネがアイドルハンターからアイドルを守って退社」の嘘
様々な角度から報じられる山口真帆さんの騒動。ファンが納得する事態収束は、おとずれるのだろうか。(文◎春山有子)