ソロ展開中の山下智久や赤西仁が目指すべきジャニーズの先輩像を考察

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 先に書いた記事「ジャニーズからのソロデビューは81年のひかる一平以後30年以上存在していない事実」だが、じつはグループデビュー後にソロデビュー・リリースした例は多くある。

 この場合、「グループに属したまま」または、「属したグループが消滅してから」のソロリリースと、山下智久や赤西仁のように「(自らの意思で)脱退してソロデビュー」と3パターンあるが、後者は異例で過去にも例がない。昔はそんなワガママが通用するジャニーズ事務所ではなかったのでこの2人は相当の特別扱いである。

 SMAPや嵐でさえ誰ひとりソロデビューはいない。したくても出来ないし、しようとも思ってないだろう。テレビ番組からは「桜庭裕一郎(長瀬智也)」や「慎吾ママ(香取慎吾)」などが企画として誕生しているが、これらはジャニーズ発信のキャラクターではないので別例とするが、そういった演出でしかなしえないほどソロ活動は難しいわけだ。

 また、ほとんど知られてはいないが、少年隊の錦織一清や光GENJIの諸星和己などもジャニーズ時代にソロ作品をリリースしているが鳴かず飛ばずだった。山下にしてもNEWSから飛び出したものの彼の歌を聴いたことがあるという人は極わずかだろう。

「天下のジャニーズであってもソロに苦労」はもはや伝説なのだ。先の記事で綴った「郷ひろみの悪夢」から引きずって30年以上もの間、ソロ歌手としてのデビューができないのは、その必要もないからだろうが、超人気グループであっても「ひとり」になると弱さが露呈する現実は否めない。

 ソロという体で活動している山下、赤西、中山優馬らがいる一方で、彼らの代表曲やヒット曲と言われても答えられないのが一般的だ。AKB48にしても代表曲は数多いが、メンバーのソロ曲となれば、なかなか答えられない。それが現実だろう。

 仮に木村拓哉がソロで活動したとしても、ドームどころか横アリや武道館も危ういだろう。ジャニーズ戦略の一つとして同じ事務所の先輩や後輩、ジュニアらを動員した演出でなんとか1万人規模のライブはできるだろうが、「ひとりの歌手」として考えると相当の無理を感じてしまう。

 山下と赤西の「ソロに挑戦」はひとりでもできるという自信からだろう。だが、これまでにジャニーズ事務所からソロで成功したのは郷ひろみ、田原俊彦、近藤真彦の3人だけだ。後のひかる一平は大失敗で、中村繁之もイーグルスでデビューしているので当てはまらないうえにソロ歌手としても売れなかった。

 個人的には川崎麻世こそ世界に通用するレベルで歌って踊れるスーパースターと認めたいが、すっかりバラエティ化してその才能を全く使ってないことに勿体なさを感じている。では「ジャニー喜多川が作った最高傑作」は誰かというと、それは田原俊彦だろう。本人もステージ上のMCでことあるごとに「僕はジャニー喜多川が作った最高傑作としての自負がある」と発言するほどだ。確かにそれも一理あるが、郷ひろみのほうが上という意見もあるだろう。いずれにしても、ジャニーズが誇るソロ歌手のレベルがどれだけ凄いことかわかる。

 現在のジャニーズが誇る山下智久や赤西仁らのソロ組にはぜひとも、このレベルでの成功を目指してほしいところだ。木村拓哉や嵐のメンバーにもそのチャンスはあるはずで、その時こそ本物のスーパースターとなる。しかし、これはかなり難しいチャレンジでもある。だからこそ、ジャニーズからのソロデビューは30年以上存在していない。ジャニーさんも万能の神ではなかったということだ。

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「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」

Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/

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Written by 平本淳也

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