新元号「令和」に違和感を持ちながらも好意的である日本人のなぜ そこに込められた菅原道真の影

道真の呪い

現代では学問成就の神として信仰される天満宮だが、元来は、道真の死後に相次いだ雷や地震が道真の呪いだとされ、それを鎮めるためにつくられた神社だった。崇徳天皇・平将門とならび、日本三大怨霊に数えられるほど強力な呪いの力をもつ菅原道真は、実はかつての改元にも大きく関わっている。

延喜3年に死去した道真は、その死後に呪いの力でいくつもの天災や政情不安をもたらし、ついには当時の皇太子を殺したとまでされている。その怨霊を鎮めるために延喜から延長に改元された。これは日本で初めて、呪いのために改元された例である。そうした道真の影が令和の中にも見え隠れしている。

しかし、呪いはマイナスの面だけではない。天災までをも呼ぶ呪いはエネルギーの向きを変えれば強力なプラスの力になる。呪いという言葉は元々、「宣る(のる)」という日本語に由来し、「祝う」ということばも同じ由来を持っている。つまり、呪いの強さはご利益の強さでもあるということだ。

令和時代に

0からはじまり、大きく開いていくイメージを想起させ、初の国書由来でありながら「ら行」で始まることで外にも開かれる姿を表す。さらに最強の呪いの力で言祝ぐ、非常にバランスの良い元号であるように思う。そんな令和がよい時代になることを願う。(文◎Mr.tsubaking 本サイトで連載中!