ノートルダム大聖堂火災報道に見る日本人の心の欠如 燃えたのは”資産価値”ではなく「心の拠り所」

しかしノートルダム大聖堂は、まず寺院(教会)です。

つまり、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国や世界中のカトリック教徒の、宗教的象徴であり心のよりどころなのです。

そんな存在が焼け落ちていく様を目の当たりにした、カトリック教徒の方々のショックはいかばかりだったでしょう。

信者でない私でさえ、祈りと信仰の中心が失われたという思いでした。しかし、日本の報道でこの部分にアプローチしているものは見られませんでした。

日本人は無宗教だといわれ、多くの人がそう自覚しています。だからこそ、外国から流れ込んでくる様々な文化を、たおやかに受け入れたり、日本文化に合流させたりしながら共存できるという良い点があります。

一方で、ノートルダム大聖堂が焼け落ちて最も悲しんでいる人たちの「心」を慮ることができなくなっているのです。