「アンジュルム婚」とは何か 蒼井優・山里亮太夫妻が愛するアイドルだからこそ“多くを語らなかった”記者会見

『アンジュルムック』発売にあたって、公式インスタグラムが開設されており、そこにはオフショットとともに、熱すぎるくらいのアンジュルム愛に溢れたコメントが「蒼井・菊池」の連名で寄せられています。しかし、結婚が発表された当日の投稿は「菊池」のみのクレジットでした。これも、「蒼井」という署名で投稿すれば、それがニュースで取り上げられ、アンジュルムが違う形で広まってしまうとの懸念があったからだと考えられるかもしれません。

また、『アンジュルムック』を読んでみると、編集長として蒼井優、菊池亜希子という名前は載っていますが、2人は誌面に一切登場しません。つまり、読んでいる限りでは2人の存在はほぼ感じないのです。さらに、『アンジュルムック』の宣伝を兼ねて、蒼井優・菊池亜希子の2人はいくつかの媒体の取材を受けていますが、そこで語られるのはアンジュルムの話のみ。自分たちの話はほとんどしてないし、自分たちとアンジュルムとの“特別な関係性”を語ることもない。「私こそがいちばんアンジュルムが好きなんだ」というマウンティングもない。“アンジュルムこそが主役”ということに徹底しているのです。

アンジュルムのリーダー、そしてハロプロ全体のリーダーを務めた和田彩花さん(画像は著書『美術でめぐる日本再発見 ー浮世絵・日本画から仏像までー』より)

アイドルとファンとの距離感はとても難しいものです。仮にそのファンが芸能人であったとしても、応援するアイドルと近くなりすぎることは、ほかのファンから歓迎されることではありません。そういう意味では、蒼井さんはアンジュルムとの適度な距離感をしっかり保っていると言えます。自分を媒体としてアンジュルムを宣伝することはあっても、不用意に自分の私的なニュースとアンジュルムをつなげようとはしない。もちろん、アンジュルムを独占しようともしないし、特別な関係であることをアピールすることもない。それは、アンジュルムへの絶対的なリスペクトの現れでもあるだろうし、ほかのアンジュルムファンたちへのリスペクトも感じられます、なんとまあ、真面目なことか! 蒼井さんは、愚直すぎるくらいのアンジュルムヲタですよ!

アイドルとの距離感を保つとともに、ほかのアイドルファンへのリスペクトを忘れないということでは、「アンジュルム婚」という言葉に対し「燃えそう」とコメントした山里さんもまた同様でしょう。自分たちの言動でほかのアイドルファンたちに不快な思いをさせたくない……という配慮。山里さんもまた誠実なアイドルファンなのです。

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