東京都がほぼ全ての繁華街で「みかじめ料」を罰則対象に 支払った店側にも罰則 都は北九州のように全面対決するつもりか
これまでの暴排条例でも、店側には「勧告」から始まる三段階を経て罰則を科すことが出来たが(実際の適用例はなし)、今回の改正ではそれらの段階をすっ飛ばして即座に罰則を与えることが出来る。1年以下の懲役または50万円以下の罰金ということだが、実際に厳しく適用されれば、店側にとっても順守せざるを得ないこととなるだろう。
今回、この条例に警視庁がどれだけ本腰を入れているかと言うのは、適用される地域の広さでもわかる。新宿や六本木、銀座などのメジャーな繁華街はもちろん、24区内を遠く離れた三多摩地区の中心地・八王子なども指定地域に入っている。その数は29の地区に及び、東京の繁華街のほぼすべてを網羅すると言ってもいい。
さて、この店側も罰する警視庁肝いりの条例だが、それが功を奏するかどうかは正直不透明な面もあると言えよう。その理由のひとつとして、これまで店側が良くも悪くも「必要経費」としての付き合いを容認してきた部分をすっぱりと断ち切ることが出来るか?があげられる。
もちろん、この不景気なご時世に少しでも出費を抑えたいというのは当然だ。だが、これまで「必要経費」を支払ってきたには理由がある。ひとつには恐怖心もあるだろう。また、店によっては“用心棒”的に利用したところもあるハズだ。これらを断ち切るのに、単なる罰則だけで済むのか。これは、北九州で福岡県警と工藤会が全面対決した例をもってみても容易ではない。そのためには、単にオリンピック対策だけではなく、将来にわたって継続的な警視庁の指導と対応が求められる。