意識のない客を連れ回しカードを使いまくり公園に放置 裁判で明らかになった「ぼったくりバー」の最悪最低の手口
「店の中で立場が一番下、それでも関与してしまったことは間違いないですよね。どこの時点でどうすればよかったと思いますか?」
という裁判官の質問に対して手島は、
「根本的には、こんな店で働かなければよかったです。救急車を呼ぶことを提案したりすればよかったと思います。周りが応じなくても自分で行動を起こすべきでした。少なくとも一緒に車に乗るべきじゃなかったです」
と答えています。
そのどれも出来なかった彼は逮捕、勾留されることになりました。勾留中に婚約者は子供を出産しました。裁判の時点では彼はまだ一度も子供に会っていないそうです。
論告で検察官は、
「意識のない被害者を『帰宅させたらぼったくりや暴行が露見する』という身勝手な理由で治療を受ける機会すら与えず監禁したという犯行態様は、被告人があくまで従属的な立場であったということを鑑みても非常に悪質と言わざるを得ない」
と厳しく追及し、懲役1年を求刑しました。
婚約者の父親は、
「きちんと反省して、子供もできたんだし父親としての責任と自覚を持ってちゃんと社会のルールを守って生きてほしい」
と話しています。
手島は少年時に母と死別し、父親とは音信不通になっています。それでも「今後は自分が父親代わりになって監督していく」と婚約者の父親が言ってくれています。そして自身も父親になりました。
最終陳述で話していた、
「今後はちゃんとした昼の仕事を見つけて、まっとうに生きていきます。もう二度と犯罪には手を染めません」
という言葉が守れるかどうか、それは婚約者の父親が言っていた「父親としての責任と自覚」次第なのだと思います。(取材・文◎鈴木孔明)