治療の帰りに食べたくもない弁当4つを“また”万引き 裁判で語られた彼女が「盗み続ける理由」

証人として出廷したクレプトマニア患者の支援団体の方は、
「彼女の場合、病気というより自分を壊したいというような破滅衝動があってそれが万引きにつながったんだと思います。話を聞くかぎりとても孤独な生活をしているようです。まずは孤独にならないように話をよく聞きたいと思ってます」
と話していました。

実際に彼女は病院以外ではほとんど人と話さない生活をずっと送ってきていました。
「最近、誰かの前で感情をあらわにしたことってありますか?」
と裁判官に聞かれた時には、
「ないですね…一人でいる時に勝手に涙がでてきて止まらなくなることはあります」
と答えていました。

彼女は万引きで何を手に入れようとしたのでしょう。盗んでも盗んでも、失ってきたものはもう取り戻すことはできません。それでも盗まずにいられないという彼女の背負った業は、裁判所が下す刑罰よりもよほど大きなもののように思えます。(取材・文◎鈴木孔明)

あわせて読む:病気なら万引きしても仕方ないのか 元マラソン選手・原裕美子さんの判決公判に裁判傍聴人が感じること | TABLO