タピオカだけじゃない 平成を席巻した海外から上陸した三大スイーツを覚えていますか?|中川淳一郎
平成10年も迫ってきた「ベルギーワッフル」の時代になると、ヘンな名前のデザートの人気は低下していったが「クイニーアマン」までは変な名前こそ、ブームの象徴となっていたのだろう。
もしかしたら、まだこの頃は海外への劣等感があり、なんでもかんでも海外発のものであればイケてる、といった状況にあったのかもしれない。「イタリアで人気」「フランスで人気」といった一言があれば、「キャーおいしそー!」状態になっていたのである。
だからこそ、今考えれば完全にアホなのだが、フランスのミネラルウォーター・エビアンを首からぶら下げたり、「コントレックス」という硬度のやたらと高い水を飲むと痩せる、という噂が女性を中心に蔓延したのかもしれない。
さらには「痩せるクリーム」として評判になった「スヴェルト」といった商品まで売れに売れ、販売日には百貨店に行列ができるほどだった。
こうしたことを振り返ると、当時は企業主導のマーケティングがよく効く時代だったのだといえよう。今はSNSを中心とした個人発の情報がネット上で自発的に大拡散し、結局は消費行動に繋がる。聞きなれない名前のデザートブームが発生した平成初期は企業にとっては幸せな時代だったのかも、とつくづく思うのである。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)
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