風営法による営業時間は妥当だと思いますか? 観光立国になりたいのなら深夜帯の“税収”を熟考すべし

もっとも、風営法による時間外営業が厳しくなったのは、ここ10年ほどの話であって、お上も多少の目こぼしはしていた。その“良き風習”を杓子定規に適用するようになった結果、あの手この手で時間外営業を試みる店舗が増え、また摘発も増えてきた、というワケである。今回の事件もその流れにあると思ってよい。

さて、筆者が問題とするのは、そもそも風俗営業法の時間が、現在の都市文化に即しているか? ということだ。具体的に言えば、風営法による営業時間は夜明けから原則午前0時までである。ススキノ、あるいは歌舞伎町などの大歓楽街は概ね深夜1時までとなっているが、これは現実的な都市文化とあまりにも乖離しているように思える。率直に言って、深夜酒類提供店のように午前0時を過ぎた深夜営業を認めるべきであろう。もちろん、理由はある。

なんと言っても、大きいのは税収のアップだ。一部エコノミストなどの間では、東京もロンドンの成功例にならって、公共交通機関を含めた終夜営業を増やし、ナイトタイムエコノミーの活性化を図るべしという声がある。その流れのなかで、風営法の営業時間を延ばすことに、抵抗は少ないのではないか。