ホリエモン、DaiGoらがベタ褒め 青汁王子や清原和博氏を取り込むN国党の一番の問題点|畠山理仁

 2013年の結党以来、N国が取ってきた選挙戦略は「悪名は無名に勝る」だ。従来の常識や道徳、倫理観を飛び越え、党勢拡大のためには火中の栗も拾う(例:丸山穂高衆院議員の入党)。炎上してでも党の名前を売り、存在を知ってもらうことがN国の生存戦略だ(例:マツコ・デラックス氏に対する抗議)。

 N国が狙うのは、世の中に一定数存在する「反NHK票」の掘り起こしだ。党として掲げる政策は「NHKのスクランブル放送化」だけで、それ以外は一切自由。所属議員や支持者の言動を縛らない。内輪もめが起きても放置する。スクランブル放送に賛成ならば、左派でも右派でも取り込む。結果的にこの拡大戦略が奏功し、党には立候補希望者が殺到した。そうした人材を次から次へと選挙に挑戦させ、地方議員は31人にまで拡大した。もはやN国が簡単に政界から消えることはないだろう。

 一般に「N国は選挙に強い」と思われているが、実は負けも多い。とにかく各地の選挙に出て党の知名度を上げることが最優先だから、勝ち目のない選挙にも挑戦する。当選者が多いのは、挑戦する選挙の数が多いからだ。

 実際、N国は首長選挙や定数1の小選挙区では勝ったことがない。N国が勝てるのは、一つの選挙区につき複数名を選出する大選挙区での地方議会議員選挙や、国政選挙での比例代表に限られている。こうした選挙では、有効投票数の約2.5%が当選ラインだからだ。

参考記事:「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志議員を面白がってはいけない|久田将義 | TABLO