歌舞伎町にレアケース事件 足を引っかけ「調子に乗るな!」 元暴力団員の男が通行人に暴行を加えて金品を強奪

誤解を恐れず言えば、歌舞伎町は暴力を根源とする裏の部分と華やかな表の部分は区別されており、普通、堅気がその部分と接点を持つことは少ない。違法賭博、違法風俗店(ぼったくり店)などへの出入り、不動産を巡るトラブルなどが起きない限り、堅気にとっての歌舞伎町は「安全」なのである。今回の事件は、その安全な街の「古き慣行」が破れつつあるのか……という一抹の不安を残すとも言えよう。

もっとも、加害者個人の性行であり、歌舞伎町の他の暴力団とは関係はない、という見方もあろう。また、そうあっても欲しい。だが、暴対法、暴排条例の締め付けは歌舞伎町にも影響しており、暴力団のアンダーグランド化が懸念されている。さらに、準暴力団とも言える半グレの影響力が増していることを一部マスコミが伝えるなど、街の暴力地図に地殻変動の動きもみられている。一見スルーしてしまいそうな出来事だが、気になる事件であることに違いはない。(取材・文◎鈴木光司)

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