競馬場に電話をして逮捕 男が情報を求めてかけ続けた理由は「競馬新聞は高いから」でした|裁判傍聴

趣味がイタズラ電話に……

「1日にだいたい40件、多いときだと50件くらい迷惑電話がかかってくるようになりました。電話に出ると保留音がずっと鳴っていたり、こちらが出るとすぐ切られたり、無言電話もありました。頭にきて仕方ありません」

長電話も迷惑なのは同じですが、何度もかかってくるイタズラ電話からは迷惑なだけでなく明らかな悪意も感じられます。

一方、彼はどのような気持ちでイタズラ電話を繰り返していたのでしょうか。その時の気持ちについては、

「電話をすると一時的にはスッキリします。電話を切ってから何分かするとまたそのスッキリした気分になりたくて電話をかけたりしていました」

競馬を趣味として始めたはずでしたが、もうこの段階になると競馬ではなくイタズラ電話が趣味になってしまっていたようです。

彼は一連の犯行をすべて自分の携帯電話で行っていました。おそらくイタズラ電話なんかで警察沙汰になるとは思っていなかったのだと思います。そして、自分が腹を立ててした行為で警察に相談するほど腹を立てる人がいる、ということを想像できなかったのだと思います。

怒って感情的になると周囲の人への想像力をなくしてしまうことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。しかし、一人暮らしをしていた彼の周りにはそんな時に諌めて止めてくれるような人はいませんでした。

「今後は競馬はやめて学生時代にやっていた剣道を再開したいと思います」

と、彼は今後の生活について話していました。今度は剣道場にイタズラ電話をかけるのではないかと気が気ではありません。(取材・文◎鈴木孔明)

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