拍子抜け… カルロス・ゴーン被告の「トークショー」に内外もガッカリ 逃亡劇の詳細は「20年後に話す」

この逃亡劇へのシャットアウトに見られるように、質疑応答を含めて自身に不利益となることはことごとく拒否するか、曖昧な返答でスルーするなど、会見は煮え切らなかった。そんななかで、唯一ゴーン被告がデリケートに答えたのが、レバノン人記者による「イスラエルへの入国と要人との会見」であった。

レバノンの敵国であるイスラエル入国には同国での批判も強く、そのための質問であったが、ゴーン被告は「ルノーのCEO(フランス人)として入国した」という苦し紛れの説明に終始した。それに対して、レバノン人記者は「イスラエルを敵国として認めるか」「レバノン国民に謝罪するのか」と畳み込み、これに対しても、ゴーン被告はイスラエルの空爆を非難するという曖昧な応答に終わった。日本人記者にこのくらい押しの強さが欲しいものなのだが……。

このように、徹頭徹尾自身にとって不利益な質問には曖昧かスルー、国際的に批判もある日本の司法制度に関しては鬼の首をとったように、多弁かつ執拗に批判するなど会見というよりは、ゴーン被告のトークショーに近い、厳しく言えば茶番に近いものではあった。

なんにしても、日本の司法制度がどうであれ、違法出国という明確な法律違反を犯しているのは事実だ。その我が国に対して、「パールハーバー」という言葉まで出して印象操作をしようとしたゴーン被告に、日本人からより厳しい目が向けられるのは間違いないだろう。(文◎鈴木光司)

 

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