【改正風営法】浄化作戦によって歌舞伎町から『影』は消えたのか?【無機質になりゆく新宿】

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違法風俗が跋扈する街。いまの歌舞伎町をひと言でいえばそうなるだろう。「え? 歌舞伎町ってそういう街じゃないの」と思う人もいるかもしれないが、『不夜城』や『新宿鮫』などの小説で描かれるほどには、危険ではないし、実のところ良くも悪くも調和が取れていた場所ではあったのだ。これまでは……。

ところがここ数年、その良き風習は崩れ始めている。そのきっかけが、1999年から2012年までの長期政権となった石原慎太郎都政にあることは間違いない。

当時、チャイニーズマフィアの台頭が話題になったように、中国人による違法行為が歌舞伎町では多発していた。これに対し石原知事は”浄化”という強い姿勢で臨むことを決意。その陣頭指揮をとったのは、警察庁から出向して副知事の座にあった竹花豊氏だった。

その結果、マフィアの資金源の一部になっていた中国エステ(実質は売春店)などは根こそぎ駆逐される。ところが、その余波は中国人系の店舗だけにとどまらず、日本人が経営する風俗店も直撃したのだ。
具体的に言えば、そのころ、風俗ファンには絶大な人気があった性感エステやイメクラ、それに性感の名を冠したファッションマッサージなどだ。そしてそのほとんどが、風俗通の間では「優良店」として知られていた店だったのである。