旅行先で知らない間に取られている「税金」 あなたはこんな横暴を許せますか?

 

総務省「平成30年度 地方税に関する参考計数資料」の「地方税収入の税目別伸長率の推移」をもとに、筆者がグラフ化しています。

データは総務省「平成30年度 地方税に関する参考計数資料」の「地方税収入の税目別伸長率の推移」から「入湯税」の数値を抜粋したものです。
ちなみに「入湯税」とは、鉱泉浴場(温泉法で定義された温泉を利用する浴場)の入湯客に課する税金のこと。その使い道は環境衛生施設や消防施設の整備、温泉源泉の保護・管理などに充てられています。

税率は現在、「1人1日150円を標準とする」となっていて、つまり一律ではありません。平成27年の総務省資料(課税団体976の調査結果)では、「標準」とされる「150円」が893と最も多かったものの、一番安いところで「20円」、一番高いところで「250円」と大きな開きが見られました。そして、今年2月には別府温泉を擁する大分県別府市が最大で500円(宿泊食事代で異なる)までの引き上げ方針を発表しています。

そんな入湯税の税収はここ20年以上、200億円を超えていて、バカにできない収入になっています。しかし、どことは言いませんが、地域の温泉に出かけると「寂れてんな~」と思うことも多く、本当に観光資源の保護に役立っているのか、実感できないというのが個人的な感想です。まあ、使途が施設整備や源泉保護なので、目に見える観光施設に使われていないのかもしれませんが…。

新たに始まる出国税もまた、「どこに使われてんの?」となりそうな気がしてなりません。(取材・文◎百園雷太)