北朝鮮のコロナ対策が恐ろしすぎる! コロナ感染した者は容赦なく処刑!? これが「医療崩壊」した国の現実
実際、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は1月29日、新型コロナウイルス感染症への対策は「国家存亡に関わる重大な政治的問題」であるとする記事を掲載。「人々の健康と生命を脅かしつつ世界的範囲で伝播している新型コロナウイルス感染症が、わが国に絶対に入らないようにしなければならない」と強調した。
北朝鮮が新型コロナウイルス対策にいち早く動いたのは、自国の医療・防疫システムがきわめて脆弱であることを認識しているためだ。北朝鮮は諸外国のように、新型コロナウイルスによって医療崩壊の危機に瀕しているわけではない。医療が崩壊したところに、感染の脅威が迫って来たのだ。
だから対策と言っても、韓国のような徹底的な検査や、日本のクラスター対策のような高度なやり方はできない。脱北者出身で、中朝国境地帯で取材するデイリーNKジャパンのカン・ナレ記者によれば、「発熱や咳など風邪の症状が見られる人々は、無条件で自動的に隔離させられる。PCR検査なんかしません」という。
「北朝鮮は現在まで一貫して、国内で新型コロナウイルスの感染者は出ていないと主張していますが、実のところ、まともな検査はごくわずかしかしていない。感染者がどれだけいるか、彼らもまったくわからないのです」
自宅隔離は、当初は15日間だったものが1カ月に伸びた。その間、外出できるのは週に1回、30分だけだ。その短い時間に、食べ物や暖房用の炭や薪を確保しなければならない。しかも、日本のようにそこらじゅうにコンビニやドラッグストアがあるわけではない。食べ物は地元の協同農場や人民班(町内会)が供給することになってはいるのだが、そもそも皆が貧しいので、十分な量は期待できない。
「(北朝鮮の)隔離は地獄ですよ。感染症で死ぬ前に、飢え死にする可能性の方が高い」(カン・ナレ記者)
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