「あの人なら、殴ってもいい」 物腰柔らかな青年が法廷で放った衝撃発言 何が彼をそうさせたのか?
「道を歩いていたら被告人がいきなり後ろから首に腕をまわしてきて路上に倒されました。その時はリュックサックを背負っていたので後頭部や腰を地面に打ち付けることはなかったのですが、被告人は倒れている私を押さえこもうとしてきました。必死に抵抗して脱け出して、その後は2人とも立ち上がって口論になりました。その時に警察官が来ました」
2人の間には面識はありませんでした。被害者からすれば、いきなり知らない男に背後から襲われたことになります。検察官はこの犯行態様を、
「被害者はケガをしていないって言っても、これ、通り魔と一緒ですよ」
と評していました。当然、被害者の怒りも苛烈なもので、
「いきなり後ろから、なんて絶対に許せない。被告人には厳罰を望みます」
と被害感情を述べています。
なぜ彼は突然、このような凶行に至ったのでしょうか。
犯行動機を訊かれた彼はゆっくりと答えました。
「いつか誰かを殴りたい、とずっと思っていたからです」
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彼は大学中退後、昼はIT関連の企業で派遣社員として働き、夜は倉庫でのアルバイトをして生計を立てていました。小学生の頃に両親は離婚、彼は母親に引き取られましたがその母はすでに亡くなり事件当時は一人暮らしをしていました。
「いつか誰かを殴りたい」
そのような想いを募らせるようになったのは、夜のアルバイト先である倉庫がきっかけでした。この倉庫で彼は同僚や上司に日常的に暴力をふるわれていました。
理由もなく理不尽に暴力にさらされ続け、外見は穏やかそうに見える彼の内面では少しずつ怒りや復讐心が澱のように沈殿していきました。