都知事選直前 小池百合子が新宿区民にあてたメッセージに感じるご都合主義 これまでコロナ感染者数増を新宿の責任にしてなかったか?

「新宿区には歌舞伎町に代表される世界的な規模を誇る歓楽街があって、普段は国内外からのお客様で大変な賑わいをみせていたところ……」

と、観光都市東京のなかでも、来日外国人がもっとも立ち寄る場所である新宿区をたたえるように持ち上げた。そこから、コロナ禍での苦衷に入っていくワケだが、それでも、

「事業者のみなさまに感染拡大の防止、ご協力をいただいてまいりました。心から感謝を申し上げます。もちろん、区民のみなさまのご協力、ありがとうございます」

と当事者たちに謝意を示し、「いわゆる夜の街」にはPCR検査に「実は積極的にご協力をいただいて……」「業界ごとにガイドラインの徹底」と事業者たちの自助努力を強調したのである。

選挙のための動画であるので、ある程度は仕方ないのだろう。しかし正直、それでも筆者は鼻白む気持ちを抑えられない。

経済活動再開後、都内のコロナ感染者が高止まりしている状況を、「いわゆる夜の街」……具体的に言えば、新宿にすべての責任があるかのように、会見等で印象づけてきたことを考えれば、究極のご都合主義としか言えない。

 

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