止まらない新宿バッシングに疑問符 劇場クラスターは誰のせい? 本質を見誤れば一層のカオスを招く

さて、問題は東京、特に新宿バッシングだ。ワイドショーが盛んに取り上げている「シアターモリエール」のクラスター発生についてもネットなどでは、「また、新宿か」という声が上がっている始末である。検証が終わっていないなかで断定はできないが、今回クラスターを起こした主催者側に見通しの甘さはあったのだろう。しかし、「楽屋が8畳しかない」ということまで取り上げて、「クラスターが起こって当然!」と批判するのは如何なものか。

 

参考記事:「テロ行為」に批判の嵐! 営業再開の東京ディズニーリゾートに発熱状態の女性が来園!? 「行動ルートを真面目に調べろ」の声も | TABLO

 

シアターモリエールはオープンしてから30年以上たつ老舗で、小演劇界隈では著名な劇場だ。しかし、その著名な劇場にしても8畳の控室しかないのが現実で、またここ独自の問題でもない。日本全国、多くの小劇場に共通するものと言ってもいいだろう。しかも今回の当該公演は、一応は“国のガイドライン”に従った対応をとっているのだ。

つまり、今回の主催者が脇の甘さを指摘されることはあっても、一義的な「責任」は経済を再開させたい国にあり、個々の人や団体に責任のすべてを被せるのは、一種の目くらましに過ぎない。いわんやシアターモリエールが新宿にあることで、「やっぱり新宿……」などと批判することが、的外れなのは言うまでもない。

 

関連記事:ずさんな感染症対策だった… 山本裕典さん、有村昆さんらが舞台でコロナ感染 集団感染を引き起こした『イケメン人狼アイドル』 | TABLO