政治家はもう自分を戦国武将に例えるのはヤメて! 自民党総裁選で記者からお決まりの質問 各候補者はどう答えたか|プチ鹿島
私はそろそろ政治家に対しての戦国武将例えはいらないと思う。なぜならそれが圧倒的なオヤジ的世界観だからだ。
自民党の総裁選で女性候補がなかなか出れないというのもこの辺に理由がある気がする。「自分を歴史上の人物に例えると? 」という質問がほぼ戦国武将でイメージされているうちは、オヤジが出馬という前提になっていないか? そこに女性候補はなかなか入り込めない空気を象徴していないだろうか。
今回、収穫があるとしたら菅義偉官房長官は明言を避けたという点だ。その理由がいい。
《かつては秀長に関する本を愛読書に挙げ、「常に心掛けているのは、補佐役として安倍晋三首相が仕事をしやすい環境を作ること」と語っていたが、自ら首相を目指す立場となり心境に変化が生じたようだ。》(毎日・同)
たしかに最近まで菅氏は「豊臣秀吉の弟の秀長」の名をあげていた。「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」(堺屋太一)という本が好きという理由で。つまり秀長の名をあげていたのは「自分は補佐役です」という煙幕だったのだろう。しかし今回は明言していない。今はもう秀長は用済みなのだ。
こんなところで菅氏のしたたかさが見えてしまったのである。(文◎プチ鹿島 連載『余計な下世話』)