僕を恫喝した菅内閣のある大臣 「書いた奴を連れて来なさい!」 電話口で怒声が響き渡った

通常、抗議というものは雑誌の場合、表4と言わている裏表紙に書かれている発行人、編集人に向けて行われます。ライター本人にももちろん行きますが、書き手を狙い撃ちしていく、いわゆるスラップ訴訟はこの頃、2000年代初頭から流行していったという印象です。

あまりに強行、かつ執拗だったので根負けする形で相手議員の弁護士事務所に行く事なりました。
議員はライターの顔をとにかく見たかったようで、雑誌の責任者たる編集長の顔を見れば良いのでは、と僕にはその気持ちがわかりませんでしたがとりあえず満足しているようでした。
話す内容としては「とにかく謝罪しろ、そうでなければ裁判だ。他の雑誌もそうさせている」の一点張りでした。相手弁護士は黙ったままで「この議員の怒りの為にこういった席を設けさせられたのかな」と感じていました。ちょっと気の毒でした。

話が長いので、「先生も他の雑誌と裁判を抱えていますよね」と言い、またある団体とも争っていたはずなのでその点を踏まえながら「僕らと争っても先生の負担が増えるだけではないでしょうか」と諭すように言った覚えがあります。

すると結果的には「それもそうだな」という感じで引いてくれました。最後は無理やり「これからは宜しく頼むな」と握手をさせられて、携帯電話の番号も交換した記憶があるのですが今のスマホにはその議員の携帯番号は入っていません。

菅新内閣の顔ぶれを見て、そしてその「新大臣」の顔を見て、ぼんやりと記憶をたどってみました。テレビでは嬉しそうでした。おめでとうございます。とは言いません。就いたポストは大変、重要です。国民一人一人の顔を見てこなさなければならない省庁です。手足となって働く官僚には恫喝などせず、器量の大きなところを見せて頂きたいものです。人はそれを見てついていくものですから。(文◎久田将義)

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