BSEと新型コロナ騒動の共通点 メディアは過度に報じている「悲観論を述べて責任回避する人間にはなりたくない」|中川淳一郎

当時のBSE騒動と今回のコロナ騒動、かなり似た展開なのでは、と思っている。いわゆる「インフォデミック」と呼ばれるマスメディアやSNSを通じて過度に怖がる情報が流布されることだ。5月に陽性者が東京で200人を超えたり、7月、東京で陽性者が463人となった時、人々は驚愕し、この世の終わりが来たかのように扱った。だが、この1ヶ月ほど、200人を超えても「まぁ、そんなもんか」と考えている人は増えているのでは。

9月末のシルバーウィークで人の大移動が起きた。それから約10日後、陽性者は全国で増えるかもしれない。ただ、あまり死なないのでは、とも思う。BSE騒動の時もそうだったが、メディアも役所も政治家も「最悪の事態」を言い続ける。そうすれば、結果がどうなろうが後で責められないのだ。

この世の中、楽観論を述べて悪い結果になったら糾弾されるもの。だから人々は悲観論を述べ、責任回避をしようとする。くだらない。そういう人間に私はなりたくない。(文・中川淳一郎 連載「俺の平成史」)

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