『鬼滅の刃』にハマらなかった人たち 「キメハラ」「アニハラ」はしないようにしましょう
けれど、どんなに名作でも「ハマらない人」はいるものです。僕にも苦い思い出があります。
映画『カメラを止めるな』が流行りました。大変、面白い映画でした。けれど、ブームになるほどかな、と思っていました。映画館のお客さんは「笑う用意」をしているかのようでした。そんなに面白くないところでも「ふふふ」という声が聞こえます。以前、「笑っていいとも」でお客さんの予定調和の笑いが嫌でいったん、辞めてしまったダウンタウンの気持ちが分かる気もしました。
という事をツイートすると、かなりの数で「分かっていない」「どこが面白くないんだ」というものが来ました。「面白くない」とは言っていません。「面白かったです」。5点満点中、3.5点はいきました。なのに、なぜ「面白いと言え」と言わんばかりの雰囲気になってしまうのか。
因みに、世界的ヒットを生んだ日本のアニメで、僕がハマらなかったのは『ONE PIECE』『進撃の巨人』でした。これも絵柄です。頑張って漫画の一巻まで読んだのですが……。
特に『進撃の巨人』は映画化されました。脚本は有名映画評論家であり名編集者の町山智浩さん。お会いした事はありませんが、町山さんの仕事ぶりはリスペクトしています。人に勧められて映画を見たのですが……。
「?」が頭の中を巡りました。石原さとみの演技は光っていました。というくらいの印象でしたが、有名評論家の脚本だから、映画素人の僕が「イマイチでした」というのも偉そうだし、映画専門家から叩かれるのではと恐る恐る「そんなに面白くなかった」という事をニコニコ生放送か何かで言った事がありました。
また、現在は大手アニメ会社勤務の後輩に10年前「今、面白いと思うアニメをおしえて」と頼んだところ、「涼宮ハルヒの憂鬱」「攻殻機動隊」「ひぐらしのなく頃に」を薦めてくれました。
「涼宮ハルヒ」作品も絵柄で入っていけませんでした。「攻殻機動隊」はハマりました。後輩は残念がっていましたが、「アニメハラスメント」はしませんでした。「絵柄がねぇ。確かに」とうなずいていました。
「鬼滅の刃」は国内では、小野不由美さんの秀作「屍鬼」に似ているのかなとふと思いました。
因みに逆に、僕が「面白い」と思った漫画を「そうでもない」と言う人も多々いる訳です。それはそれで致し方ないです。「何で面白くないの?」と問い詰めることはしません。個人個人が自由に物を言える社会の雰囲気が望ましいと思っています。(文◎久田将義)