テレビを筆頭としたコロナ禍を煽るメディアの「インフォデミック」 日韓ワールドカップを振り返ってみれば見えてくる|中川淳一郎
さて、この時のメディアの報道がクソ過ぎたことについては今言っておこう。大規模スポーツイベントが近づくと、テレビを筆頭とした各種メディアはネガティブな要素を報じ始めるのである。代表例をいくつか挙げる。
◆2004年アテネ五輪:呑気な国民性をウケ、作業員がグータラ過ぎてスタジアムの建設が間に合わない
◆2008年北京五輪:工業が伸びているだけに、空気汚染が激し過ぎる
◆2010年南アフリカW杯:ヨハネスブルグの治安がヤバ過ぎて死者が出る
◆2016年リオ五倫:ギリシャ同様作業員がグータラし過ぎて施設が完成するか分からない。「ジカ熱」の感染も心配
◆2018年平昌五輪:寒すぎてヤバいことになる
毎度とは言わずとも、こうした懸念が頻繁に出るのだ。そして2002年の日韓W杯でもっとも心配されたのがコレだ。
◆2002年日韓W杯:イングランドのフーリガンが大量に押し寄せ街を破壊する
当時、イングランドサポーターのマナーの悪さと攻撃性は多数報じられており、イングランド代表の入ったグループFは日本での試合開催となった。そして、アルゼンチン、イングランド、スウェーデン、ナイジェリアという強豪が入ったため「死のリーグ」と認定された。
この4か国の中でも、ライバル的な存在はやはり欧州の強豪であるイングランドとスウェーデンである。これは両国にとって大切な初戦のため、埼玉スタジアムは血の雨が降る!といった言われ方をした。
テレビはガチでこの試合は「要注意試合」認定をし、恐怖を煽った。オレはこの試合を観に行ったのである。完全にコネだが、オレの父親は当時浦和レッズの取締役であり、埼玉スタジアムのチケットを入手することが可能だったのだ。
関連記事:灼熱のマンホールでザリガニを焼き猛暑を過ごす 東京・足立区で夏を満喫する子どもたち 「ここは発展途上国か!?」環七開通前夜 | TABLO