『映画秘宝騒動』にひと言だけ言いたい あの「だいしゅきホールド起源事件」の様に綺麗に終息させましょ|春山有子

三国さんは、人生イチ赤面を隠すかのごとくやけにあっさりと、「そうですか。じゃ貴方で。皆さんこの人だそうです」と返信しますが、そのユーザーは撤回を求め「スラングやミームは宙ぶらりんなままネットの海に還しましょう」とネット人としてのリテラシーの高さを見せつけます。

三国さんは「嘘つきになるのは困る」とごねにごね、「起源者を主張するぶんには構いませんしどうぞ」などと往生際の悪さを披露し、真剣なレスバトルに発展します。

往生際の悪い三国さんの一方、起源者の主張は終始一貫していました。

「僕『コピペとかネットスラング、発案者が自慢しはじめるとクッソつまんなくなる』と思ってるので、誰かが後乗りしてきた上で『俺はこの人が発案者でないことを知っている』立場として『少なくとも誰のものかわからない状態』は作っておきたいと思ったからなんですね」

一方、同時進行で外野による検証がはじまると、ネットに落ちていた痕跡の点と点が線となり、前出のユーザーが起源主であることが確定したのです。

こうなるとごねていた三国さんは、真摯な謝罪文をツイート。前出のユーザーは自身の矜持ゆえこれ以上言及しなかったこともあり、外野もすっきりと引いたのでした。

ツイッター界隈では珍しい幕引きではないでしょうか。

さて筆者は岩田さんと面識がありますが、実生活で会えば「みんなちがって、みんないい」で済むキャラクターで(DMを送られた女性にはそんなことは関係ありませんが)、もちろん筆者だってひとを断じることができるような清廉潔白な人格ではありません。映画誌で天職を得て、読者から支持され、女優ののんさんと親しくなり、そして騒動を巻き起こして退任……人生は本当に、山あり谷あり。誰もが一寸先は何があるかわからないからこそ、1日1日を噛み締めて生きてゆきたいですよね。(文◎春山有子)

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