驚異の価格設定を発表した楽天モバイルに勝機はあるのか どこよりも安くおトクな会社のメリットとデメリット

<表3>※各社の決算発表資料をもとに筆者がグラフ化しています。
<表4>総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和2年度第1四半期(6月末))」のデータをもとに筆者がグラフ化しています。

そのほかの楽天と大手3キャリアの事業規模とシェアについてもリサーチ。表3は売上高、表4は契約数から見たシェアとなりますが、どちらも大幅に差がついている印象です。参入したばかりなので当たり前ですが、現時点ではかなり後塵を拝している状況で、ここから追いかけるのは大変になるはずです。

先行きは厳しくなりそうですが、「楽天」は〝楽天経済圏〟と呼ばれるさまざまな楽天系サービスとの連携が大きな強みです。例えば、楽天の各種サービスで貯めたポイントを支払いに利用できたり、楽天モバイルに加入することで他の楽天サイトを利用したときのポイント付与率が高くなったり、現時点でもあらゆる楽天のサービスと連携して多彩な特典を提供しています。

とくに〝楽天経済圏〟はジャンルが豊富で、そこで運営されているポイントプログラムは群を抜いて高いロイヤリティが特徴。楽天が力を入れているモバイル事業ということもあって、〝楽天経済圏〟を武器にした超高還元の特典やサービスでテコ入れしていく可能性は高いはずです。業界の足並みを無視して端末代を引くほど割引した〝三木谷割〟のように、業界を震撼させるようなサービスを打ち出してくるかもしれません(しかし、一部のサービスでポイントの改悪も確認できています)。

個人的にも、寡占で硬直化したキャリア業界の尻を叩く意味でも、「楽天」には次々と革新的なプランやサービスを打ち出していくことを望みます。そうすることで、さすがに既存3キャリアを抜くことは難しくても、〝第4のキャリア〟として十分に生き残っていけるのではないでしょうか。(取材・文◎百園雷太)

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