「総務省接待ニュースの『尺』を縮めろ!」自分も”身に覚え”のある民放各社が姑息な作戦

民放のあるプロデューサーは、「放送や通信の許認可を握る総務省は、民放にとっても大事な存在。総務省幹部との会食や接待は、民放にとっても他人事ではない」と話す。また外資規制などを巡っても「インターネットとの競争などもあって事業の再編が繰り返される中で、会社の構造に思わぬ『スキ』が出来ているリスクがどの社にもある。そんな状況では、各局とも総務省接待問題を積極的には触りたくなかったはずだ」と言う。

「とは言え、あれだけ大きな問題になれば、総務省接待問題にまったく触れないのはむしろ不自然だ」と、前出の情報番組関係者は指摘する。「そこで各局の担当者が頭をひねったのが、『総務省関連のニュースの”尺”をいかに短くするか』でした」。

「尺」とはつまり、その番組の中でニュースが扱われる時間の長さのことだ。

「ひとつの番組に、多種多様なニュースを多めに詰め込めば、それだけ一つひとつのニュースの『尺』は短くなる。だから現場では、『何でもいいから、扱えるネタを集めろ!』という雰囲気でしたね」

頭を低くして、嵐が過ぎるのを待つ作戦である。しかし結局、フジの問題に火がついてしまった。果たして他の各社は、どのような火種を抱えているのだろうか。(取材・文◎編集部)