もう1人のフィリピンの英雄 ボクシングWBC世界戦ドネアが見せた閃光と「アジア人差別反対」

試合は前半はウバーリが前後の素早い出入り。手数でドネアからポイントを取ります。
しかし3Rあたりから、ドネアの左がウバーリの顔面をとらえ始めました。解説の西岡利晃氏(元WBC世界スーパーバンタム級王者)が「タイミングがあってきた」とコメント。そのコメント通り、後半、左のショートフックがウバーリの顔面をとらえます。アゴに入ったのでウバーリ、ダウン。立ち上がったものの足はフラフラ。ドネアは再び倒しに行きます。そして3R終了のゴングと同時に、あるいは一瞬遅かったかも知れません。ドネアのアッパーがウバーリの顔面にヒット。カウント10直前で立ち上がるも、脚がおぼつきません。レフリーがダメージを確かめ続行を決断。

4Rになって、多少回復を見せたもののドネアはKO狙い。ロープに追い詰めて左のアッパーでウバーリをリングに沈めました。スローモーションで見るとアッパーの前に右のストレートでウバーリのガードを崩していました。ガラ空きとなった顔面にアッパーを放ったのです。

試合後はダウンしたままのウバーリの前に駆け寄り膝をついて頭を下げます。感謝とリスペクトの意です。この礼儀正しさは今回に限った事ではありません。勝利者インタビューも素晴らしく、38歳のドネアですが「人間に年齢は関係ありません。トレーニングさえちゃんとしていれば」と言った意味の事を言います。井上尚弥へのリマッチをアピールしましたが、井上選手は6月に防衛戦がありますが勝利を収めて是非実現してほしいものです。そして、改めてドネアのメッセージ

「STOP ASIAN HATE」

を世界にアピールした事も忘れてはなりません。(文@久田将義)

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