「東京五輪は北朝鮮ツアー」と化す 外国人ジャーナリストは「バブル」に収まらないのでは│青木理・プチ鹿島・久田将義

緊急事態宣言下の歌舞伎町。各国ジャーナリストはこういう風景を取材したいのでは(撮影・編集部)

安心・安全の東京五輪だそうです。でも、その割には責任の所在をなかなか教えてくれません。いろいろ注目はありますが、私が気になるのは「マスコミ報道」です。といっても日本のマスコミではなく来日する海外の報道関係者のことです。
先日、組織委員会の理事会がおこなわれ、GPSを利用した行動管理の徹底や入国後14日間は公共交通機関使用禁止などが発表されました。

運営側はこのルールを守らせるよう徹底するでしょう。さて気になるのは「報道の自由」というお題とはまた別に、そもそも猟犬のようなジャーナリストはホントに大人しくしてくれるのだろうか?という疑問なのです。
海外メディアからすれば、専門家が「普通はない」と言ってる中での五輪なんてネタの宝庫に決まってる。ヨダレをたらしながら東京の様子を伝えたいだろう。なんとか東京の様子を勝手に伝えようとする”不届き者”もいるのではないか。バブル方式が完璧かどうか実験する人間も出てくるのではないだろうか。そうなるとまた岸防衛相にいちいち名指しでツイッターで叱っていただくしかありません。お兄様の安倍前首相にも「愉快犯だ」と援護射撃してもらうしかない。

でもそんなこと言われたとしても外国人ジャーナリストはひるむだろうか。NHKならひるむだろうが海外メディアには効かないのではないか?

そんな疑問を、先日おこなったトークライブでTABLO編集長の久田将義さん、ジャーナリストの青木理さんの2人にぶつけてみました。
すると青木さんが例えとして挙げたのが「北朝鮮ツアー」だった。あの国に入る場合、厳重な監視の下で行動は制限される。そして北朝鮮は見せたいものしか見せない。

観光客ならそれでいいが、与えられたもの以外を見たいのが記者の欲であり野次馬のプロだ。なんとか監視の目をかいくぐって撮影などにチャレンジしようとする記者も少なくないだろう。自身も北朝鮮に行ったときは「ありとあらゆる手段を考えた」と言っていた。
この例え、すごくわかりやすかった。言われてみれば海外メディアや外国人ジャーナリストにとって東京五輪とは北朝鮮ツアーと同じなのだ。

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