ヤクザと生活 なぜこの時代にヤクザになったのか 「ヤクザである自分が好きだからやっている」│久田将義

裏社会の住民の本音を聞いた見た(写真はイメージです。撮影・編集部)

ヤクザは無くならない。そう感じています。なぜなら、人間が社会生活を営む上でいわゆるアウトサイダーという人は、必ずいるからです。名称が変わってきただけで、人類の中には必ずアウトサイダーが存在していました。その時代で呼び方が変わってきているだけです。

それが誕生する要因は環境なのか、生まれ持った性分なのか。歴史をたどってみれば分かるのですが、例えば戦国時代では彼らは傾奇者(かぶきもの)と言われました。小説にも漫画にもなった前田慶次(『花の慶次』)が有名です。江戸時代に入り、町奴(まちやっこ。旗本奴に対抗する町の人間たち)が登場しました。ヤクザの始祖と言われています。江戸末期から明治にかけてその流れは、ヤクザという呼び方になりました。そして、現在に到る訳です。

また我々、一般人はアウトローに対して奇妙な魅力を感じています。ですから、彼らは映画、小説、漫画の題材になり、多くの作品が生み出されました。

が、暴力団対策法とそして、暴力団排除条例が施行されました。それによって、ヤクザの生活権を実質奪われた形になりヤクザ人口が減少。しかし、上記の歴史が証明している通りヤクザは無くならないでしょう。ヤクザ(アウトサイダー)がいない社会とは、北朝鮮などのような国くらいではないでしょうか。
ここでは2人の現役ヤクザ(A氏、B氏)に登場してもらい、なぜこの生きにくい時代にヤクザをやっているのかをインタビューしてみました。

―ー渡世に入ったのはどれくらい前ですか。

B氏「27歳くらいですね。出身は関西地方です。大阪で兄貴と仕事をしていて大阪に飽きたから、東京で一発、花、咲かそうかなと思って東京に出てきました。その時はヤクザするとかそういう気持ちはなかったんですけど、歌舞伎町に出てきて、(今の)親分の若い衆と揉めたんです。それでオヤジ(親分)が出てきて、話して『ああ、この男(親分)は何か違う。今まで出会った男と何か違う』と。それでオヤジから盃を貰ってヤクザしています」

―ーAさんとBさんの関係は兄弟分になるんですか?

B氏「いや、違いますね。筋から言ったら兄貴筋になるんですが兄貴は親分の舎弟なんで。自分は親分の子なんで(註・つまり『叔父貴』にあたる)」

―ー少年時代は暴走族とかに入っていたんですか?

B氏「暴走族、やっていましたね。中一くらいからです」

―ーAさんはどんな少年だったのでしょう。

A氏「俺は一般の家庭でしたね。まあ、ちゃんとした家でした」

―ーエリート家庭ですか。

A氏「エリートって言うのかな……。ガキの頃から素行が良くなかったんで(苦笑)」

―ーやっぱり暴走族に入っていたのですか。

A氏「いや暴走族はやったことないです。強制的に中学高校と自由のないところにいたんで」

―ーコロナは皆さんの業界でも影響はありますか。

A氏「俺のところは普通の会社だから。影響っていうほどの影響はないけれど」

―ー正業も持たれている?

A氏「正業を持っていないとね。うちの親分が詐欺とか薬を嫌う人なんで」

確かにこちらの組の親分は面識がありますが、堅気の僕にもフラットに接する非常にビッとした人でした。その影響・教えは舎弟、子分にも通じているのだなとも感じていました。

現役のヤクザに訊く なぜこの時代にヤクザをやるのか!?|ニュースサイトTABLO