ヤクザと生活 なぜこの時代にヤクザになったのか 「ヤクザである自分が好きだからやっている」│久田将義

―ー僕が取材したところではそういうシノギをしている所もあります。

A氏「他組織の事は俺は言わない(即答)。俺のところの親分が嫌いだって言うからそれに従っているだけ。俺自身、一日生きる金と、今日ヤクザが出来る銭さえあればそれ以上求めないから。それ以上求めると人様に迷惑をかける事になる。自分の信念を貫けるだけの心と銭があるだけで充分。多くは求めない。ヤクザが好きだからね、俺は。ヤクザである自分が」

―ーBさんはどうでしょう。

B氏「自分は親分が好きなんでオヤジといれたらいいかな、と。生活はやっぱりできないと駄目ですけど。ヤクザやっていたら見栄張る事もあるし、付き合いもあるから多少の金は必要ですけど親分が好きなんで親分といれたらいいなというのが、これからも続けるように努力して」

―ーまさに盃を交わすと言う事ですね。

B氏「そうですね。心でつながっています」

A氏「今の若い子たちは俺らをカッコいいと思って見ていない人が多いよね。職業で見ちゃっているから。俺らは生き方だから。それが続かないんだね」

―ー生き方って皆さんは良く仰いますよね。

A氏「それはそうでしょう。給料が出る訳でもないし。大変だけどそれを我慢して『この人の為に』ってできるから。ヤクザを好きでなければ出来ないよ。時間取られて稼げないとか、こんな事やって貧乏だと思っていたら一生ヤクザなんて続かない」

現在、ヤクザ人口が減っているがそこはどう考えているのでしょうか。

B氏「メシ、食えないですよ」

―ー暴排条例の施行が大きいですよね。

B氏「そうです。お金貸していてですよ。金利とか無しに普通に。お金貸して下さいって言われて、返して下さいって、それだけでパクられちゃうんですから。銀行口座も作れないし家も借りられないですし、車もダメですね」

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このまま彼らを意味もなく追い詰めると、前記したアウトローのピラミッドがおかしくなり、裏社会の秩序が崩れ、結果一般の我々の社会にも影響が出るような危惧を抱いています。続いて、歌舞伎町について尋ねてみる事にしました。後半に続きます。(文@久田将義)