ヤクザと歌舞伎町 現役ヤクザが語る「不夜城」の現在│久田将義

ヤクザという生き方を語ってくれたA氏とB氏(撮影・編集部)

前回では、現役のヤクザA氏とB氏に登場して頂き、暴排条例などで打撃を食らったヤクザ業界になぜ入ったのか。そしてなぜ渡世でしのごうと思ったのかを聞きました。やはり我々とは違う、価値観を持っていると実感しました。ヤクザも当たり前ですが、人間です。1人の人間としての生の声を読者の皆さんへ、YouTubeでは視聴者の方へ届けようと思った次第です。
後編は「歌舞伎町の住人としてのヤクザ」に質問をしてみました。

【前回まで】現役のヤクザに訊く なぜこの時代にヤクザをやるのか!?|ニュースサイトTABLO 

―ー歌舞伎町の最近の状況はどうでしょう。

B氏「全く活気がない。何か十年前までは歩けないくらいいっぱい人がいた」

A氏「俺は街の状況とかそういうのではなく、昔は誰でも受け入れる第二の故郷的な街だった(と思う)。車一つ、身体一つで歌舞伎町に来て何か仕事ないですかって言うとそれを受け入れる土壌があったけど、今は昔と比べるとこう……冷たくなったような」

B氏「昔は、ヤクザやりたいって奴がよくいたんですよ」

―ーそうなんですか。

B氏「まあそういうのに限ってすぐ飛ぶ(註・逃げる)んですけどね(苦笑)」

A氏「街の人情ってやつが冷たくなったよね」

B氏「そうですね。冷たくなりましたよね」

―ー受け入れられなくなった?

A氏「受け入れる事は受け入れるんだけど」

―ー街の作り方も違ってきたからではないですかね。

B氏「都もうるさいですよ、歌舞伎町は」

―ーヤクザである限りは一攫千金のようなことも考えているのでしょうか。

A氏「まあ、一攫千金は(ヤクザを)やっていればあるんじゃない? ただ人に知らせてもらわなければ、そんな事はないけどね。だからやっばり人付き合いですね」

―ー堅気との付き合いをいかに大事にするのも出世のポイントとなる訳ですか。

B氏「それはそうですよ。やっぱりヤクザって言うと縛りがあるじゃないですか。堅気だとできる事もあるので、堅気と付き合いをしていたら何かしらお金のが生まれてくる」

―ーそれにしてもヤクザ人口が減ったと言われていますし、入ってくる人もいないのですか。

B氏「やっぱり少ないですよね、ぶっちゃけ」

―ーそうなると目立っているのが、半グレ(準暴力団)の方になってきている気がするんですが。

A氏「棲み分けだから。俺らにはそれは関係ないね。俺は親分の意志で動くだけだから。(例え)喧嘩になったって負ける気はしない、(なぜなら)喧嘩のやり方が違うから」

―ー他のヤクザにも聞いたのですが「組織の力は強い」と言っていました。暴走族のOBが主である準暴力団とは違う訳ですね。