謎のネオアウトロー「ISS」とは何だったのか 雑誌の表紙イラストに警察が血相を変えたワケ

「市街で確か、頭の坂本明浩さんという人に会うのですが、俳優の萩原流行に似た美男子だったですね。目付きが鋭いのは覚えています。その人の行きつけのすき焼き屋にはいりました。すき焼き屋かどうかは分からないのですが、とにかくすき焼きを出されまして、その時関東からも指定暴力団の二次団体の組長も来ていたと思います。『ISS』のメンバー全員が出席していたのではないと思いますが、20人弱くらいでしたか。で、若手は物凄い勢いですき焼きを平らげ、隣の部屋で控えていました。僕ものんびり食べている訳にはいかないな、と思い、めちゃ早く食べて若手の控室に行きまして、少し会話をしたと思います」

「取材場所は広島球場、いまのマツダスタジアムですか。そこがよく見える有名なホテルの一室。スゥィートを取ったのかなあ。その頃は取材費が使えましたからね。ほぼ全員、『ISS』のメンバーが集合したと思われます。で、ライターとカメラマンを兼用していた鈴木さんが(気を遣って名字だけにしておきます)インタビューし、集合写真を撮るのですが、服を着たパターンと脱いだパターンを撮影しました。脱ぐと全員、刺青で坂本さんだけ脱がなかったのかな。メンバーは全員和彫りで、身体のどこかに『坂本明浩』という名前が入っていました」

「そこで初めて『ISS」と僕の前では名乗ったと記憶しています。略はインターナショナルシークレットサービス。ですからボディガードなどを主な仕事としているのかなと想像しました。で、帰京する訳です」

ネオアウトロー集団『ISS』(インターナショナル・シークレット・サービス)を取材したら広島県警が編集部に怒鳴り込んで来た|ニュースサイトTABLO

当時、『実話ナックルズ』の表紙はイラストで人物を載せて、その周りにネームを散らばせていたのですが、その号の表紙は坂本明浩さんでした。ただそれだけだと中年男性がいるのみです。なのでイラストレーターさんがアレンジしてズボンに拳銃を指してする姿にしました。イラストレーターさんはプロの仕事をしました。今でも感謝しています。ところがこれが騒動になったのです」後編に続く(文@編集部)