小山田圭吾、のぶみ両氏が辞任 東京五輪よりヤバいオリンピックを探してみた! 長野五輪開会式の退屈さは今も語り草

2008年の北京五輪では、中国4000年の歴史が歴史絵巻のごとく描かれる雄大な展開で、2012年のロンドン五輪はなんといってもポール・マッカートニーである! 世界中の人が知っている『Hey Jude』を歌い、圧巻のパフォーマンスを見せた。

元々東京五輪ではAKBグループが登場して「世界に恥をかきたくない!」といった声が多数出ていた。当初の懸念点はその程度だったのだが、その後エンブレム剽窃問題、スタジアム建設費高騰問題、ユニフォームダサ過ぎ→変更問題、森喜朗・前組織委会長“女性蔑視”発言、開会式“オリンピッグ”演出案が流出で責任者辞任、開会式楽曲担当・小山田圭吾氏“過去のいじめ”で辞任、パラリンピック文化事業担当の絵本作家のぶみ氏“過去の不適切告白”“作品で炎上の過去”で辞任――。ここまで多くの問題が続いたが、いずれもネットの意見が撤回の発端になっている。

1998年の長野五輪の時はインターネットはそこまで普及していなかった。もしもあの時に今ほどネットが一般に普及していたらもしかしたら浅利慶太氏は「パワハラ」を指摘され、世論に押される形で落とされていたかもしれない。開会式・閉会式の演出内容でも散々悪口が書かれていたことだろう。

もっというと、「スノーレッツ」というフクロウの公式キャラクターも「落書きみたいだ」などと撤回に追い込まれたかもしれない。

何はともあれ、人々が好き放題意見を言える時代というのは、ある程度鈍感にスルーする必要もあるかもしれない。結果的に長野五輪の場合、あのヒドかった開閉会式よりも、「ふなきー」で知られる原田雅彦の大ジャンプからの日本チームのジャンプ金メダルや、里谷多英のモーグル金メダル、清水宏保のスピードスケート500m金メダルなどの方が人々の記憶に残った。東京五輪も、そのようになればいいですね。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)