菅総理が「金メダリストだけ」にお祝いツイートするも他のメダリストは無視 露骨過ぎませんか?

そして最新が28日に女子柔道70キロ級で金メダルを獲得した新井千鶴選手へ。

【新井千鶴選手、初出場のオリンピックで、激闘を制し堂々の金メダル獲得、おめでとうございます!】

28日深夜現在、ざっとこんな感じです。見てお分かりの通り、テンプレです。「選手の名前」から始まり「!」(註・因みに出版用語では雨だれと言います)をつけて、「心を打たれた」「おめでとうございます」という「感動しました」を言い換えた言葉を足しているのがパターンです。菅総理がご自分でツイートしているとは思えないので、秘書官あたりが「実行」しているのでしょう。

そして、全て「金メダリストに限って」お祝いツイートしています。オリンピックって何なんですかね。スポーツって何なんでしょう。勝者があって敗者がある。金メダルに届かなくても銀メダル・銅メダルがある。そしてメダルを獲れなくても全力を尽くした選手の努力がある。スポーツをかじった人間なら、また負けた事があるアスリートなら誰でも思う事です。

菅総理、金メダリストだけにお祝いツイートするのはなぜですか。柔道の永瀬貴規選手は決勝勝利後、相手選手の手を挙げて敗者を称えました。これが選手のあるべき姿でしょう。

菅総理も空手家だったと聞いています。礼儀を重んじる空手ならなおさら「金メダルが全て」だけでない事は理解していると思うのです。オリンピックが開催されてから、お祝いとオリンピック関連ツイートがほとんど。他は世界遺産と黒い雨裁判についてツイートしているのみで総理のここ数日のタイムラインはほとんど「金メダリストに限定のお祝い」で埋まっています。
28日のコロナ感染数は3000人を超え、過去最多になりました。が、それに関するツイートはありません。国民が不安の中、安心させるのが国のリーダーの仕事ではないでしょうか。

「安心・安全のオリンピック」を謳っていました。「安心」出来ない国民に語りかける方が「金メダリストのみ」にお祝いするより大切ではないでしょうか。が、これに対する政権からのアンサーは

「オリンピックと感染者数は関連が確認できない」

といったものです。また死者数が今回ゼロという点も、安心材料としているようですが、むしろ熱中症を含めた通常医療が受けられないかも知れないという状況を多くの国民は心配している訳です。死者ゼロで良かった、などは誰でも分かる事です。その後の事を憂いているのです。

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どうも菅総理は国民感情を読めない政治家のようです。政治記者たちが官房長官時代「鉄壁」と称賛した「菅答弁」もいざトップに立つと全く役に立たない事が判明されました。
「金メダリスト限定お祝いツイート」もそうです。うがった見方をすれば(いや、自民党関係者からはオリンピックで支持率回復を願っていると聞いているのでうがってはいないでしょう)、思いのほか金メダルラッシュ・メダルラッシュで国民が喜んでいるのに乗じているというように見えます。もっと言えば金メダリストを政治利用しているのではないですか。

オリンピアというのは出場するだけで、「天才」と僕はも思っています。それほど才能あふれる人たちです。特に政治の為に体を張って競技している訳ではありません。アスリートに対するリスペクトがない「金メダリスト限定お祝いツイート」を連発するなら、闘いを終えた全てのオリンピア個々にツイートしてみてください。でないと、政治利用とみなされるでしょう。逆効果です。(文@久田将義)