小泉純一郎になれなかった男・河野太郎は終わったのか SNSでの人気は空虚だった

小泉純一郎氏は万年泡沫候補だった。それでもあれだけの熱狂を起こし、政権奪取したのは、ある種の開き直りと、政治スピーチとしての技術で言えば「ワンフレーズ」だった。自民党員や国会議員たちは、それを河野氏に期待したのではなかったのか。
が、いざ候補者討論になると、慎重になるのはいいけれど脱原発についても、「ワンフレーズ」とはいかない、甘い答弁。方針転換と取る党員もいただろう。

元々「河野太郎氏の人気はネットだけではないか。いざ政権奪取の生々しい戦いになるとその戦闘能力は未知数である」という永田町関係者も話していた。それがこの12日間で露呈しまった。

突破力がないのであれば、あとは自民党内で派閥を動かす長老たちの思うがままである。そこを突破できない河野氏は、腹のくくり方がなっていなかったというのが河野氏支持者の計算違いだったのではないか。
元々「次の質問どうぞ連発」「ツイッター片っ端からブロック」など、怪しい行動が多かった。ただ、これは彼の性格が変わっているけれど、逆にそれだけ、思い切った事をするのではないかという間違った期待を持たせてしまったと思われる。

結果、12日間の総裁選の闘いで、政治家としての河野氏には突破力がないと党員、議員は分かってしまったのではないか。第一回の投票で二位になってしまったのは岸田氏支持、高市氏支持というより河野氏に対する「ガッカリ感」の表れもあったであろう。
政治評論家田崎史郎氏は好きではないが、「政治家としての資質がないのでは。一年冷や飯を食べないと次の目はない」という旨の事をコメントとしていたが、人間としての修行も必要ではないか、とすら思ったほどだ。

SNSの人気は選挙の人気ではない。

「論破カッケー」の弊害 論争ではなく「言い負かせただけ」の印象操作 | TABLO

岸田新総裁は「聞く力」をアピールしている。それを鑑みれば河野氏が要職に留まることも考えられるが……、
(文@編集部)