メディアはもっとゲリラ的になるべきでは 当事者に取材すると見えてくるもの│プチ鹿島
前回、「TABLO」で四聞ネタを書きました。四国新聞は平井卓也議員の一族経営で、平井氏のライバル・小川淳也議員には取材しないで批判的な記事を書くことが多い。それが本当に不思議だと。
そのあと私は4泊5日で「香川1区」に行って選挙戦や投開票日の様子をじっくり見学しました。四国新聞の記者さんもいたので「なぜ取材しないで記事を書くのか」と質問してみた。そのくだりを「文春オンライン」に書いたら、「TABLO」の久田編集長から「当事者に取材する『喜び』みたいなものを今回(TABLOで)書いてみては」とご提案いただきました。
衆院選直前 四国新聞はなぜ小川淳也氏に当てないで報道したのか | TABLO
そもそも久田編集長と言えば3・11以降に原発作業員にずっと密着取材して「呑んで本音を聞いたりしました。当事者に話を聞かないと意味がないと思ったからです」という方です。また、ある人に「出会い系BAR通い」という記事が出て勝手な言説があったときは店に行って調べて”風評被害”だったことを証明していました。まさしく当事者に取材する喜びのプロです。
私の場合、当事者と言えば「新聞」でしょうか。読み比べが趣味なのですが、同じ風景を見ているのこんなに視点が違うのかと「当事者(=新聞)」の気持ちや行間を勝手に読むのが好きなわけです。取材というよりのぞき見と言っていい。だからこそ四国新聞の記事のつくり方は「読者」としてどうしても聞いてみたかったわけです。
そういえば最近は記者やメディアにも野次馬精神があってもいいのになと思うこともあります。たとえば8月の広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式のあいさつでの菅義偉首相(当時)の「原稿1ページ読み飛ばし」事件です。