朝倉未来選手が挑むもう一つの闘い メディアが敗北する日

しかし、犯罪を犯した訳でもない朝倉選手の肉親にアポ無し取材をするというのは、摩訶不思議な話です。というより、現在は価値観のアップデートからか犯罪を犯したとしても、その肉親にアポ無し取材をするというのは、道義的にどうなのか。という事はメディアの中でも議論されており、通常なら控えようと判断されます。

 

●メディアの常識は世間の非常識

知らず知らずの間に、メディアで常識と思われている事が世間では異常と思われている気がします。これに気づかなければ、メディアは世の人からの支持を得られません。

「マスゴミ」「パヨク」「ネトウヨ」「アカヒ」。こういった単語を出す人を僕は信用しません。せっかく傾聴に値する事を言っているのに、この単語の出現で一気に冷めてしまいます。しかし、残念ながらこの手の単語がを出されても致し方ないメディアの行動が見られます。朝倉選手の母親へのアポなし取材もその一環です。誰が一私人(と僕見ている)への無非道な取材を支持するでしょうか。
「朝倉未来」「美魔女」という単語で検索に引っかかり、一時的にはPVが上がる可能性もあります。しかし、将来を見るとこの媒体の信用が下がってしまうでしょう。するとまた、同様の取材を違う対象にするかも知れません。負の連鎖です。

もし、朝倉選手が「Smartflash」及び光文社を提訴した場合。もしかしたら、メディアの取材に関して大きな変化を遂げることもあり得るのです。

20数年前。あるプロスポーツ選手に関して週刊誌が記事を書きました。が、これが裁判沙汰になり真実性において出版社側が敗けました。それ以来、損害賠償の額が跳ね上がりました。報道の世界ではこの出来事はエポックメイキングとして記者やライターの間では知られた話です。

今回の朝倉選手の「闘い」にはもしかしたら、第二のエポックメイキングになる可能性をはらんでいると見ています。これを機会にプロスポーツ選手や芸能人ら準公人が声を挙げ始めたら、と推測してしまいます。記憶に新しいところでは爆笑問題太田光さんが新潮社を相手取り「日大裏口入学報道」に対して勝訴してもいます。

最近、神田沙也加さんの不幸に際して、神田正輝・松田聖子両氏の会見がありました。そもそも人前に出てくる必要さえなかったでしょう。それでも2人が記者の前に出てきたのは芸能人としてのプロの矜持。それと「そっとしておいてください」と言う言葉を伝えたかったからでしょう。そのまま会見を後にしようとする2人に対して少なくとも1人の声で「何か一言」という言葉が聞こえました。

何か一言。

この非常識な一言を投げかける人が住むところがメディアという業界です。読者の皆さんはとてもではないけれどこんな事は言わないでしょう。なぜならば、皆さんこそが常識を、世論を作っているからです。亡くなった遺族に対してはそっとしておくほべき、という人間としての振る舞いを皆さんはご存知だからです。

メディア全体の信用と存在価値が色々なシーンで問われています。

朝倉未来選手は現在、大晦日のリベンジマッチに向けて全力を注いでいるので、「Smartflash」との闘いは年を越してからになるでしょう。そこでどのような法廷闘争が繰り広げられるのか、本サイトは注目していきたいと思っています。(文@久田将義)

朝倉未来選手が法的措置を明言 裁判の行方次第ではマスコミは二度と『アポ無し取材』が出来なくなる可能性も 光文社「Smart FLASH」の覚悟を…