どうなるRIZINの台本問題 シバター選手謝罪動画を出すも選手たちから怒りの声 ファン無視の試合ではなかったか

榊原信行代表は何らかのアクションを起こすのだろうか(撮影@編集部)

「もういいじゃないか」

そういう声も聞こえてきています。大晦日に開催された格闘技のイベントRIZIN大晦日大会について、です。大晦日のしかも地上波ゴールデンで格闘技の試合に出る事は選手たちにとって夢であり、名誉でもあります。

PRIDE、K-1時代から見ていた人は、あの頃の熱気を思い出したことでしょう。最近、ファンになった人は地上波で見られる事でワクワクした人も多かったでしょう。それは「誰が勝つのか」といった勝負と、選手たちの人生までもかかっている舞台がリングの上で見られるからです。
試合後、涙する選手もいます。勝っても敗けても。そこに客は感動を覚えるのです。一対一でリングで対峙した時の緊張感はこちら側まで伝わってきます。誰もが予想できない展開が待っているかも知れない―ー。そんな思いで観客は固唾をのんで選手たちを見つめる訳です。

にもかかわらず「予想できない展開」ではなく「最初に選手同士、ある程度打合せしていました」という試合があったとしたら―ー。

ファンへの裏切り行為に他なりません。

それがシバター選手vs久保優太選手の試合でした。有名YouTuberでもあり総合格闘技経験者のプロレスラー、シバター選手はLINEで久保選手とやり取りをしました(本人は否定。久保選手は肯定)。既に内容はツイッターで流れていますので、要約すると「1Rは流して2Rで本気でやりましょう」という主旨。久保選手も「分かりました。2Rからいかせて頂きます」といった返信をしています。

もうこれでアウトではないでしょうか。

因みに「これはプロレスではないか」。そういった声もあります。「プロレス警察」(註・何かと言うとプロレスに例える人の事に対しての批判)という訳ではないのですが、少し言っておくとプロレスは「真剣に勝負」しています。真剣に鍛えた身体と身体をぶつけあって選手は命がけでリングで戦っています(実際にお亡くなりになったプロレスラーも男子、女子ともにいらっしゃいますが亡くなった方の名前はご冥福を祈る上で伏せます。プロレスファンなら分かるはずです)。
「ロープに飛ばされたら何でかえってくるんだよ」。プロレス批判者はそう言います。ジャイアント馬場さんの名言「催眠術みたい」というのもありますが、「プロレス上のルール」だと思っています。

野球ではバッターは打ったら、一塁に走ります。プロレスも同様です。ロープに振られたら返ってくるという「ルール」なのです。時にはロープに留まって相手のタイミングを外しますが基本はロープワークです。もしかしたら自分の身体が犠牲になるかも知れないのにも関わらず、リングで真剣に技を見せているのです。

話を戻します。

今回のシバター選手と久保選手のやり取りで試合の流れを選手同士で決めていたという問題。今大会のバンタム級トーナメント優勝者扇久保博正選手は自身のYouTubeで「僕たちとは違う試合」と静かにですが怒りの表情でコメント。ストラッサー起一選手はシバター選手と久保選手の名前を出して激昂。格闘メディアも黙っているとは思えません。というか、ここは楔を打った方が良いのでは、と格闘メディアではない僕は思います。

新日本プロレス好きから始まって(スタン・ハンセンのファンでした)、UWFやパンクラス(ハイブリッドダイエットも実行しました)等の格闘技、そして第一回UFC、PRIDE、K-1など、格闘技・プロレスを子供の頃から大人になるまで見てきました。PRIDE、K-1全盛期にライターにその頃編集長を務めていた『実話ナックルズ』(大洋図書)で記事を書いて頂いているうちに「自分も格闘技を知っておこう」と一般会員として総合格闘技とキックボクシングのジムにも通いました。プロ選手の練習も時間が合う時に見てみました。格闘技業界に身を置いていないけれど、個人的的に格闘技の大好きな身から言わせて頂きます。

話は単純です。こう考えてみてください。

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