ウクライナ侵攻「岸田首相にとって地元・広島は重要なキーポイントになっている」 『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』発売│プチ鹿島

硬派なものを分かりやすく説明。「お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!」(プチ鹿島著)

本サイトの久田将義編集長から今回は『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!プチ鹿島政治コラム集』(文藝春秋)について書いてみるのはどうでしょう?と提案していただきました。ありがとうございます。3月9日に発売しました。

この本は「文春オンライン」の連載のほか「文藝春秋デジタル」の有料記事(安倍晋三論&菅義偉論)、さらに朝日新聞社「ジャーナリズム」に寄稿した長めのコラムを2本収めています。追記もしていますので当時との答え合わせもできます。
今から読むとこの記事をよく押さえていたなと自分でも思うネタもある。たとえば岸田首相です。本書のトップで「岸田氏には大きな弱点がある」と書きました。地元・広島です。まず政治とカネ。広島で起きた「河井夫妻大規模買収事件」(2019年)。自民党本部から河井案里側に1億5千万円が振り込まれていた。

地元の中国新聞は次のように指摘した。

・一体、誰が巨額の資金投入を決めたのか
・なぜ同じ選挙区に立候補した別の党公認候補の10倍の資金を投じる必要があったのか
・結果的に河井夫妻による現金の「ばらまき」を誘発したのではないか

あのとき河井陣営&官邸の標的に見えたのが岸田派の溝手氏だった。安倍氏を過去に批判していたからである。岸田氏はよりによって自分の派閥の仲間が狙い撃ちにされたのになぜか今は無口。安倍・菅氏らに忖度しているのでしょうか。

さらにここにきて岸田首相にとって地元・広島は重要なキーポイントになっている。「カネ」のほかにロシアとウクライナ情勢で「核」への言葉も注目されているからだ。岸田首相は広島選出なので核軍縮を「ライフワーク」に掲げています。これをはっきりと言い続けることができるのか。本人は何もしていないのにうっかり注目されてしまう岸田キャラがまたしても。

ちなみに「核兵器共有」や「議論をタブー視してはならない」というフレーズは安倍晋三元首相がきっかけでした。私は大事なことが飛ばされている感じがしました。検証がまず必要だと思うのは「対プーチン外交とは何だったのか」。ここからではないでしょうか。