刺さるドキュメンタリー『劇場版センキョナンデス』 プチ鹿島&ダースレイダー主演・監督

「選挙はエモい」。

こういう重箱の隅をつつく作品は大好きです。心に刺さりました。YouTubeから飛び出して、映画化になった『劇場版センキョナンデス』。主演・監督はラッパーのダースレイダーさん、芸人のプチ鹿島さん。

一言で言えば、「秀逸」。このドキュメンタリー作品に対して、それ以外の言葉が思いつきません。
選挙を通して、「生物としての政治家」を観察する。この映画を観た人は、そんな気持ちになるのではないでしょうか。

「選挙はエモい」。画面の中でプチ鹿島さんがつぶやきます。選挙にこそ政治家や応援者の素の部分が出てくるものです。現場に行かないと見られないものがある―ー。

これは取材の鉄則ですが、芸人さんとラッパーの二人が、見事にその役割を果たしています。メディアの末席にいる者として、またそこそこ取材をしてきた者として、素直にお二人に脱帽したいと思います。それほど面白かったです。
去年の2021年衆院選、香川一区での自民党平井卓也初代デジタル担当相と立憲民主党の『なぜ総理大臣になれないのか』で「主演」をこなした小川淳也議員との実質一騎打ち。平井議員は地元四国新聞社主平井卓志元参議院議員の長男であり、弟平井龍司氏は現在、四国新聞の社主を務めています。

この経歴を見れば分かる通り、平井卓也議員を推しまくる四国新聞。小川陣営は二人に取材に対して「ようこそ状態」ですが平井陣営は警戒心丸出し。その模様が動画で我々の目に焼き付けられます。文字よりも映像が強い。そう思う時がありますが、正にこの選挙区では平井陣営・平井卓也議員と小川陣営・小川淳也議員の心根が表れてしまっています。繰り返しますがこの辺りの映像など、秀逸。