刺さるドキュメンタリー『劇場版センキョナンデス』 プチ鹿島&ダースレイダー主演・監督

そして2022年7月の参院選。ここでは記憶に新しい、安倍元総理銃撃事件が起こりました。二人は辻元清美を取材中、絶句する辻元議員を目撃しています。「あってはならないこと」と辻元議員は目を潤ませ答えるのがやっと。印象的なシーンでした。

その他、日本維新の会高木かおり参議院議員、共産党辰巳幸太郎元参議院議員、自由民主党松川るい参議院議員、立憲民主党福山哲郎参議院議員、立憲民主党泉健太衆議院議員、立憲民主党菅直人元首相らに接近して、声を拾います。

なので、この映画は、自民党支持者であろうが野党支持者であろうが無党派層であろうが、是非見て頂きたいというのが正直な気持ちです。なぜか。二人の視点が「ポジションに立っていないから」です。強制的なメッセージ性もありません。「選挙にいこうぜ」とか「●●党はダメだ」といったような。

どちらかのポジションに立って政治を描く映画を見る時、視聴者はどうしてもシラケてしまいます。どうせプロパガンダだろ、と。しかしこの映画は非常にクールに、もっと言ってしまえが「突き放して」政治家と選挙を冷徹に観察しているように感じます。だからこそ、見る価値があるのです。どう考えるのか映画を見た、我々に委ねる。あえてこの映画からメッセージを見出すなら、そういう事なのかなと感じます。

最後に忘れないように書いておきます。「東中野ポレポレ」「渋谷シネクイント」などで上映されると記載されているのを見て、「東中野ポレポレで『ヤクザと憲法』という傑作を視聴したのを思い出しました。「アレ」以来の印象に残る作品なので是非、AmazonプライムやネNetflix等でも配信して欲しいものです、全国の人に見て欲しいから。

2003年2月18日より渋谷シネクイント、東中野ポレポレほか全国順次ロードショー

(文@久田将義)