高市早苗議員「捏造発言」騒動を読み解く│プチ鹿島
放送法の解釈をめぐっての内部文書の件。高市早苗氏が「捏造文書だと考えている」と言い、内容が事実なら閣僚や国会議員を辞めるかと問われて「結構ですよ」と言ったことで盛り上がっております。辞める辞めない論争も確かに注目ですが、高市氏が既に公の場で言っていたことをあらためて皆で考えるべきでは。たとえばこれ。
・政治的公平についてひとつの番組だけを見て判断する場合があると答弁(2015年)
・政治的公平を欠く放送を繰り返せば電波停止を命じる可能性に言及(2016年)
国会ではっきりと言っていたのだ。権力者がテレビ局の電波停止をちらつかせた。当時この発言にはギョッとしたが、もっとギョッとしたのはテレビのニュース番組が怒るかと思いきや意外とそうでもなかったこと。つまりこの言葉が「効いた」から静かになったのか?実際のところどうなの?あれ以来ずっと感じていた。もし嫌でなければニュース番組は電波停止発言を今こそ特集してみたらどうだろう。
さて今回の文書で私が注目したのは「山田真貴子首相秘書官」の言葉である。当時、総務省から出向していた方だ。2015年2月18日、山田氏は「安保法制の議論をする前に民放にジャブを入れる趣旨なんだろうが、視野の狭い話だ」と礒崎陽輔首相補佐官の動きについて総務省に解説したと記されている(毎日新聞)。
さらに「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない」「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話だ」「どこのメディアも萎縮する。言論弾圧ではないか」と言っていたという。