「女子高生ブーム」とは何だったのか

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1992年(平成6年)頃から「女子高生ブーム」があった。何をもってして「ブーム」と呼ぶかといえば、メディアがチヤホヤすることがブームの根拠である。当時はやたらと「ヒット商品は女子高生から生まれる」などと言われ、ルーズソックスなどが最先端のファッションということにされた。

企業は女子高生を集めて座談会をし、商品開発の参考にしようとするなど、まさに「ブーム」だった。あたかも女子高生の言うことに従えば大ヒット商品が生まれる、という幻想を企業の担当者は考えていたのだ。そうした流れはしばらく続き、「たまごっち」が1997年に爆発的に売れた時も「女子高生が大ヒットの起点」ということになった。

ここまでチヤホヤされると、「女子高生である」ということが絶大なる商品価値を生むようになる。ブルセラショップも各地にでき、使用済の下着やセーラー服を売ったのである。「援助交際」という言葉も生まれ、メディアはますます女子高生の商品化を煽った。

そんな頃、大学生だった私の周囲の女子大生は複雑な気持ちを抱いていたようだ。別にパンツを売りたいと考えていたわけではないのだが、自分達の世代が注目されないことに複雑な気持ちを抱いていたのだ。

というのも、氷河期世代と後に言われるようになる1970年代前半~1980年代前半生まれは注目されたことがなかったからだ。我々が中高生だった頃、「女子大生ブーム」があった。素人の女子大生がテレビやラジオに出演するようになり、チヤホヤされたのだ。川島なお美さんなどはその代表格だろう。『お笑いマンガ道場』に登場した彼女はその後女優として活躍することに。

同級生はさすがにテレビに出たかったわけではないが、「チヤホヤされる世代」でいたかったという。1993年、大学に入ったら女子大生ブームは終わっており、女子高生ブームになっていた。

「なんで私達が女子高生だった時に女子高生ブームがなくて、大学に入ったら女子大生ブームが終わってるのさ!」